プレジデント・オンラインとプレジデントウーマン、
そしてヤフーニュースに、インタビューを受けた記事が掲載されました。
「バフェットも絶賛」最高値更新が続く”S&P500″を今後も買い続けて大丈夫か
もしよかったら、読んでみて頂けると嬉しいです。
前回の
「ほったらかしでお金を増やすにはこの2本」絶好調の米国株が気になる人向け”最強銘柄”
という記事より一歩踏み込んだ記事となります。
今回も記事の本編で紹介出来なかった資料や意見などを補足していけたらなと思っています。
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GAFAMの株価が下がるとS&P500も下がる「噂」は本当か
米国の代表的な株価指数であるS&P500は最高値の更新を続けていますが、
時価総額の約20%をGAFAM、つまりグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフトの5社が占めているため、
「GAFAMの成長が止まればS&P500の上昇も止まる」との指摘があります。
ここについて補足したいと思います。
まず、結論として、
元々高い成長が期待されているGAFAMの成長がとまれば、
大きなウェイトを占めているS&P500は下がると思います。
GAFAMがより大きな比率を占めているナスダックはもっと下げると思いますし、
比率は小さいとはいえ、全世界株式も、先進国株式もある程度影響がでるでしょう。
過去の米国企業のデータをみるに、
むしろ、いつかは成長が止まらない方がおかしい(難しい)と思います。
GAFAMの成長が別々のタイミングで止まる分にはまだ全然いいと思います。(上半期のS&P500も参考に)
まあ、ほぼないと思いますが、GAFAMの成長が同時に止まったら目も当てられません。
でも、それでも長期的には私は大丈夫だと思っています。
GAFAMの成長が止まっても、
私はS&P500や米国株式市場は力強く成長を続けていくと思います。
大きな理由は次の3つです。
①GAFAMだけがS&P500じゃない
②バリュー株やその他のセクターの上昇や下支え
③S&P500や米国企業の激しい新陳代謝=良い企業がこれからもたくさん出てくる。
ではそれぞれ解説していきましょう。
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理由① GAFAMだけがS&P500ではない。
GAFAMがS&P500の時価総額の20%
→逆に言えばS&P500の時価総額の残り80%は違う銘柄ということです。
私はGAFAMがS&P500の全てかと言われるとそうは思いません。
中にはGAFAMをSP5(偉大な企業・独占的な企業)として強調したいがあまり、
他495の企業はダメだという論説を唱える人もいますがこれは明らかに間違っていると思います。
なぜなら、ネットフリックス、モンスター、プールなど、GAFAMよりも高いリターンを残している米国企業は複数あるからです。
市場環境は変化していきます。
その好例が21年の上半期でした。以下は年の上半期のS&P500マップです。
VOOは今年上半期15.29%のリターンを残しました。
ダウ銘柄では、ゴールドマン、アメックス、ウォルグリーンが+30%を超え、
セクターでは、特にエネルギー(原油高)、金融(債券利回り上昇)、不動産(住宅価格上昇)などが、S&P500指数を上回りました。
それぞれのセクターが得意とする環境や要因が株価を後押ししたわけです。
S&P500はGAFAMだけではないことがわかる好例ではないでしょうか?
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②の補足 バリューとグロースのサイクル
もう一つ、S&P500バリュー指数とグロース指数に連動するETFの比較チャートです。
赤 バリュー 青 グロース
ETF設定日がITバブルの直後だったので、チャートはこのような感じになっていますが、
各年ごとのリターンを見た場合も2001年から2011年頃まではバリュー株がグロース株よりも良いパフォーマンスを残していました。
この期間に限らず、過去の米国株式市場振り返ってみれば、
バリュー株がクロース株をアウトパフォームした期間というのは往々にしてあります。
リーマンショック以降は、GAFAMやグロース株が得意な低金利・低インフレという環境が続いてきましたが、
今後数年間はある程度のインフレと金利が正常化へと向けて上昇していく局面をむかえることが予想されます。
もし、これが達成できずGAFAMが下落した場合、自分の資産を大きく減らすことになります。
GAFAMの影響でS&P500も確かに下落するかもしれませんが、
他の銘柄がクッションとなって下落幅を減らせるかもしれませんし、
今年上半期のようにグロース株がイマイチでも、バリュー株などが市場を牽引して、S&P500全体とは上昇を続けるかもしれません。
もちろん、この他にもいろいろな場面が想定されるので、一概には言えませんが、
そして様々なファクター(バリューやモメンタムや配当など)に満遍なく、概ね適切にアプローチできることにあります。
その時々好調なの銘柄の比率が自然と大きくなり、不調な銘柄の比率が自然と小さくなっていく。
これを自動かつ低コストでやってくれるのがS&P 500のいいところの一つだと思います。
③S&P500の新陳代謝。
https://www.daiwa-am.co.jp/specialreport/quants/2017/report_timely_report_20171204_79135.pdf
以前、1960年代からS&P500指数のトップ10や構成比率の変化を書いたこともあるのですが(過去記事参照)
そして、AT&T、エクソンモービル、IBM、GE、数々の支配的な銘柄が生まれては、独占禁止法、激しい競争、創造的破壊などにより衰退していきました。
でも、このような独占的な地位を築いた企業が衰退したり、上位構成銘柄に入れ替わりがあったとしても、S&P500全体としてみれば、長期的に上昇を続けてきました。
また、最近だとテスラがそうでしたが、S&P400(中型株)やS&P600(小型株)には次世代のGAFAM、SP5候補となる企業がたくさんあります。
まだS&P500に入っていない次世代の企業の例
20年前の2000年、GAFAMの台頭が予測できた人はほとんどいなかったと思います。
次の20年もどうなるかわかりません。
わかりませんが、S&P500などの市場全体に投資をするインデックスであれば、
もしGAFAMの成長が止まったとしても、その新しい企業達の成長の恩恵を取り込むことが可能というわけです。
④よくある質問
シンプルですが、わりとこんなもんだと思っています。
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【まとめ】
さて、長くなりましたがまとめます。
GAFAMの株価が下がるとS&P500も下がる「噂」は本当か?
状況にもよりますが、概ね本当です。
現在影響力の大きいGAFAMの株価が下がれば、S&P500は下がります。
しかし、長期的な視点で見ればあまり心配はいらないとも思います。
①GAFAMだけがS&P500じゃない
②バリュー株やその他のセクターの上昇・下支え
③S&P500や米国市場の新陳代謝の力
かつて、石油メジャー、IBM、GEのような企業は未来も支配すると思われていましたし、
ジャパンアズNO1時代の日本の電化製品などに太刀打ちできる企業はないと思われていました。
でも、今はどうでしょう。
GAFAMはとてもすごい企業だと思いますが、それでも永遠なんてものはありません。
現在のS&P500はGAFAMの影響を受けますが、過去と未来のS&P500はそうとは限りませんし、GAFAMだけが米国株式市場ではありません。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
GAFAMの株価が下がるとS&P500も下がる「噂」は本当か