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【株式市場のリターンが持つ2つの性質】
①当初の配当利回りとその後の利益成長からなる投資リターン(企業)
②株価のPERの変化の度合いである投機的リターン(PERの変化)
の2つに分けて解説しています。
簡単に説明すると、
「投資リターン」とは企業のファンダメンタルズ(配当+利益成長)に基づくリターン
「投機的リターン」は、市場のPERの変化の影響よってもたらされるリターンで、
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【S&P500指数の10年ごとのリターンの内訳】
S&P500指数の1900年~2016年までの、10年毎年の
「投資リターン」と「投機的リターン」を表したのが下図となります。
インデックス投資は勝者のゲーム─株式市場から確実な利益を得る常識的方法 より
①配当は全期間を通じて概ね安定していること。
②企業の利益成長は基本的にプラスだが「幅」はまちまちということ。
③PERの変化は企業の利益成長以上に「幅」があり、
70年代や2000年代のように企業のファンダメンタルズが成長していても、株式市場のリターンを押し下げることがあるということなどがわかります。
※ここまでのポイント
「市場リターン」=「投資リターン」+「投機的リターン」
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【バンガードの予測】
当ブログでは何度かバンガードの今後10年間のリターンの予測を紹介してきました。
2022年4月の最新の予想はこんな感じです。
詳しい内容や引用元はこちらの過去記事をご覧ください。
「http://etfsp500.com/archives/30193219.html」
米国株グロース株よりも、米バリュー株が。
米国株よりも、米国を除く全世界株式(5.7~7.7%)の方がよい予測となっていました。
なぜ、米グロース株より米バリュー株が魅力的か。
という理由については、
つい最近過去記事を紹介したばかりなので、
今回は、なぜ米国を除く全世界株式のリターンを高く見積もているか。
もう少し踏み込んで紹介したいと思います。
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【なぜ、米国外の株式のアウトパフォーマンスを予想しているのか】
以下の図は2021年9月にも紹介した、バンガードのレポートの一部を引用したものです。
ここでは2021年9月末~2031年9月末までの、
MSCI.USインデックスのリターンを3.3%
MSCI.全世界株式(除く米)インデックスのリターンを6.2%と予想しています。
今年年初来からの下落もあり、
先ほど紹介した最新の4月の予想の中央値は0.5%ほどこの時点より改善していますが
それでも米国株式<米国以外の株式という構図は変わっていません。
では、この3.3%と6.2%という数字の間の差2.9%はどのように導き出されたのでしょう。
バンガードは具体的なヒントをくれています。
【バンガードの見通し】
青マル まずは青マルを見てみましょう。これは企業の利益成長を表しています。米国株5.0%に対し、米国以外の地域4.3%と米国株が勝っています。
※参考 GMOなどは米国株の利益成長をもっと低く見積もっています。
※参考 過去約100年間のS&P500企業の平均は4.6%程度
※参考 現時点で市場は今後12カ月のS&P500企業の利益成長を4%前半とみています。
黄色マル 次に黄色マルを見てみましょう。ここは予想配当利回りを示しています。米国1.5%に対して米国以外の株式3.0%となっています。
これは過去そうだったように、今後も米国よりも米国以外の地域の方が配当利回りが高い傾向が続くという素直な予想ですね。
余談ですが、以前紹介したように「高配当株投資」という視点で考えるのであれば、米国に拘らず、米国以外の日欧など地域に目を向けるもの、税金等の面から見ても良いと思います。
企業のファンダメンタルズ(利益成長₊配当利回り)でみると、米国株6.5%、米国以外の株式7.3%で、差は0.8%とそれほど極端な差はありません。
赤マル ここが今回のポイント。最初の段落でいう「投機的リターン(PERの変化の影響)」です。米国株‐3.2%に対し、米国外株-1.7%となっており、
より割高だった米国株の方が、それ以外の地域よりもより大きく下げ、平均に回帰するとの予想となっています。
「企業のファンダメンタルズ」と「投機的リターン」を合わせて考えると、バンガードは米国以外の地域の方が、米国株式市場よりも良いリターンになると予想し、より幅広い分散投資を勧めています。
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【まとめと感想】
私はこの分析は教科書通りといいますか、理にかなったものだと思います。
当たる当たらないはわかりませんし、信じる信じないは皆様次第ですが、
少なくとも、全世界株式に幅広く分散した方が、分散効果により「将来のリスクを抑える」ことは期待できます。
年率数%程度の差でも複利で考えると、10年後そこそこの差になるということ。
単一レジーム内では、平均乖離は進むこともざらにあるが、複数のレジームがシフトすることによって平均回帰が起こるということ。
そして、現在進行形で、インフレと金利によりレジームがシフトしていることなどを考慮して、過去ではなく今と未来を考えることが大切だと思います。
とはいえ、どうしても過去のリターンや経験、チャートの印象に引きずられて考えてしまう方も多いと思います。
そこで、今回は投資の教科書的な格言を1つ紹介して閉めたいと思います。
【ポールサミュエルソンの言葉】
最初に紹介した、バンガードの創設者、ジョン・ボーグル氏の著した「インデックス投資は勝者のゲーム」の序文には、「ポール・サミュエルソンに捧ぐ」という文字が記されています。
以下は私が大好きな、その「ポール・サミュエルソン氏」の言葉です。
市場はミクロ効率的かつマクロ非効率的であり、
銘柄選択よりもアセットアロケーションに時間をかける方が成功する可能性がある。
個別銘柄のミスプライシングを利用できる機会はそう長くは存在しえない。
資産クラスのミスプライシングにもスマートな投資家は利用しようとするが、個別株よりも是正されにくい。資産クラス全体の市場からの評価を変えるにはよほど多くの投資家が必要。(ここは長いので意訳)
ある資産クラスのミスプライスは、スマートかどうかに関わらず、
多くの投資家が外生的なショックに揺り動かされ、彼らがそろって行動することでその資産クラスの評価が是正されるまでは、持続する可能性が高いのである。
このため資産クラスのミスプライシングは、投資家が利益を獲得できるほど十分に長く続くことになる。
S&P500指数や世界の株式市場を、コストやリスクを考慮したうえで、
効率よくアウトパフォーマンスする方法可能性のある方法はいくつか思い浮かびますが、
私はこのサミュエルソン氏の主張も大好きな方法の一つです。
米国株ブロガーやYouTuberの方は、個別株の話や市場タイミング、直近の市場予測が多く、
数年単位で資産クラスのミスプライシングを狙いに行くという戦略を採用している方はなかなか見かけないのですが、
もし、私がアクティブにいくなら、間違いなく真っ先に採用する戦略はこれだと思います。
まあ、これは性格もあると思います。
私は元々バリュー投資家なので、個人的には割安で放置されている(と思われる)個別株や資産クラスを買うことにあまり抵抗を覚えません。
逆にトレンドやモメンタムを追うのは苦手ですが、そこは時価総額加重のインデックスがナチュラルに私の弱点を補ってくれています。
まあ、偶然にも、私はインデックス投資とつくづく相性のよい性格や投資の得手不得手、投資哲学などを有していると思います(笑)。(これは幸運でした。)
私の話はさておき、初心者の方は
①「成長」や「配当利回り」ばかりに目が行きがちが、「成長や配当利回り」などのファンダメンタルズとバリュエーションその両方が重要だと思います。
②過去のリターンではなく、今の市場をよく見て、将来に視点を合わせ投資判断や資産配分を決定することが大切だと思います。
最後にと言いつつ話が長くなりましたね(笑)
もし私が学校の校長先生なら絶対に嫌われていたと思います。
仕事が休みで絶好調でつい話が長くなりました。すみません。
初心者の方はもちろん、アクティブ投資をする方や、
米国株オンリーか、全世界株式かで悩んでいる方なども、
是非参考にしてもらえたら幸いです。
いつもありがとうございます。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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