米国債の『イールドカーブの逆転』に対して、投資家はどう対応すればよいか?【バンガードのレポートを紹介します】

投資まとめ

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【逆イールドでPFを調整すべきか】

米バンガードのHPに「イールドカーブの逆転」に関するおもしろいレポートがあったので紹介します。

6月1日時点に公開されたもので、3月時点のデータに基づくものなので、一部の数字に古い情報もありますが、全体としてはとても良いレポートだと思います。

米国のイールドカーブのフラット化や逆イールド発生により、米国では、多くの投資家が景気後退の到来を懸念し、それに対応するためにポートフォリオを調整すべきかどうか迷っています。

しかし、バンガード投資戦略グループのシニア国際エコノミスト、アンドリュー・パターソン氏とバンガード債券グループの米国債/TIPSの責任者ジョン・マジヤレ氏は、投資家は過剰反応すべきではないという見解を述べています。
【過去との類似性に注意】

パターソン氏は今回の状況と過去のイールドカーブの逆転時の状況の違いについて指摘します。

「過去、イールドカーブの反転は、景気後退の指標としてはそれなりに信頼できるものでした」

「しかし、インフレ、FRBの政策、労働市場、そしてウクライナをめぐる多くの不確実性があるこのような環境では、シグナルの解釈は困難です。このような異常な背景のもとでは、歴史との類似性に注意する必要があります」と指摘します。
【不況は当然の結論。ではありません】

歴史的に、長期国債の利回りが短期国債の利回りよりも低い逆イールドカーブは、今後1〜2年の景気後退を予兆するものでした。

逆転は、投資家の長期的な景気見通しが、短期的な見通しよりも悪化していることを意味します。

しかし、今回、イールドカーブの一部がフラット化した理由はそれだけではなく、他にも複数の理由があると指摘します。

FRBは過去2回の金利サイクルで量的緩和(QE)に着手しました。1度目は世界金融危機(リーマンショック)への対応、2度目はコロナウイルスの大流行に対する対応です。

短期国債金利がゼロに近づくにつれ、FRBは長期金利のカーブの利回りを下げることでしか景気を刺激 できなくなり,カーブはより平坦になりました。(長期債利回り⤵)

また、コロナショック後のサイクルでは、QEの加速や海外市場や年金基金からの強い米国債需要が、長期債利回りの低下に貢献しました。(長期債利回り⤵)

そして現在、FRBが金融引き締めをどの程度継続するかという不確実性が、今度は短期金利を長期金利よりも上昇することによって、カーブをより平坦化させています。(短期債利回り⤴)
今回は過去のイールドカーブの逆転とは異なり、このような要因も関係しているため、

過去の経験と安易に同一視しないことが大切だと思います。

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【3カ月債と10年債のスプレッドがより有効?】

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マジヤレ氏は、過去のイールドカーブの逆転は、金利がすでに比較的高かった時、通常、景気拡大のさらに進んだ時期に起こったと指摘します。

また、パターソン氏は、「3か月国債と10年国債の間のスプレッドは、景気減速のより良い指標である可能性があるが、そのスプレッドは景気後退のシグナルを送っていない」とし、

「3ヵ月物は2年物よりはるかに短いため、FRBの政策に敏感で、現在の経済状況を反映している。従って10年物とのスプレッドの縮小は、一般に、潜在的な景気後退の指標として優れている」と述べています。

【投資家が次に取るべき行動】
マジヤレ氏は金利上昇に伴う短期的な課題にもかかわらず、投資家は債券を引き続きポートフォリオに組み入れるべきである。と指摘。

短期債券ポートフォリオは、金利の上昇にあまり敏感ではないため、このような環境でも比較的うまく機能します。

また、株式のリターンと債券のリターンが連動して低下する場合でも、債券PFの損失の大きさは、株式による損失よりも大幅に小さいことが多いため、債券には分散効果があると指摘します。

そして、金利の上昇や債券利回りの上昇(債券価格の下落)は悪い面だけではありません。

マジヤレ氏は、「現在、および将来の収入を、より高い金利で投資(再投資)でき、より高い利益を期待できるようになるため、金利の上昇は債券投資家と貯蓄者にとって良いことです」と述べ

「債券投資家は短期的には痛みを感じるかもしれない」「しかし、あなたが長期投資家であれば、債券利回りが高いということは、収入が増えるということです」と付け加えています。

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【まとめ】

さて、いかがだったでしょうか。

長くなったのでポイントをまとめると、

〇現在のような環境ではシグナルの解釈は困難だということ。

〇過去のイールドカーブの逆転と同一視しすぎないこと。

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〇3か月国債と10年国債の間のスプレッドは、景気減速のより良い指標である可能性があること。

〇金利の上昇中や債券価格の下落中も、債券への分散投資は有効であること。

〇利回りの上昇により、将来より高い債券のリターンが期待できること。

こんな感じになります。

【感想】

債券投資をしてない方にはあまり響かない内容かもしれませんが(笑)

将来の自分自身や市場環境の変化に備え、債券などに関する知識を身に着けたり、使える手札を増やしておくことに、何一つ悪いことはないと思います。

また、『イールドカーブの逆転』など、よくニュースやSNSで騒がれる内容について、正しい知識を勉強しておくことで、極端な情報や売買や不安を煽るような意見に惑わされることは少なくなると思います。

ちなみに、バンガードの債券チームの債券のアクティブ運用は、ここ数年、成績がよく度々ニュース等で報じられていますのを目にします。アクティブ投資家の方であれば、彼らが何を見て何を考えているかを知ることは良いヒントになるかもしれません。

私は株式100%で運用するパッシブ投資家なので、イールドカーブの逆転に対して『投資家は過剰反応すべきではない』という彼らの見解「も」参考にしつつ、いつも通り投資を続けていきたいと思います。

それぞれの投資戦略において、今回のレポートで何かしらでも参考になった点があれば幸いです。

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【余談】

現在、日本では低金利の環境が続いたため、株式と現金だけでよいという主張もよく聞かれるようになりました。

私も過去~現在のような環境下では一理あるというか、それも合理的だと思うし、実際、私はペーパーアセットは株式100%債券0%で運用しています。

ですが、もし、日本の実質金利が上がってくればまた債券が魅力的な資産クラスとなることはあり得ますし、将来リタイアする際や投資可能期間が短くなるなどした場合、私はPFに債券を加える可能性が高いと思っています。今のところそういう計画です。

現在だけではなく将来を見据えて、投資するしないに関わらず、国内外の債券について勉強してみるのもいいかと思います。

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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