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【米国株のインデックス効果望み薄】
ウォールストリートジャーナルに、
「米株のインデックス効果、もはや望み薄の訳」という面白い記事がありました。
インデックス投資家の方にとっても、アンチインデックス投資家の方にとっても興味深い記事だと思います。
タイトルに釣られずにしっかりと中身を読んでいきましょう。
【インデックス投資の弱点】
よくインデックス投資について、的外れな弱点や、弱点とは言えない弱点、そして他の投資法にも当てはまる弱点などを指摘してやり玉に挙げる方もいます。
でも、それらは結構間違っていて、逆に言ってる方が、自身の知識のなさを披露しているだけだったりします。
一方で、インデックス投資は「最強」「無敵」「完璧」かと言われるとそうではありません。
明確にいつくかの弱点はあります。
そのうちの一つが今回のテーマ「銘柄入れ替えを利用される」と言う点です。
銘柄の組み入れや除外を狙われて、インデックス投資家が不利益を被ることが以前から指摘されてきました。
詳しくはこちらの動画の①で山崎元氏がわかりやすく解説しています。
指数に採用または除外される銘柄は事前に発表されます。
例えば最近だとテスラがS&P500に採用されると発表された直後、ファンダメンタルズなどと関係なく、大きく上昇しました。
これが指数に採用されることによる株価の上昇(インデックス効果)というやつです。
S&P500ファンドは指数との乖離を避けるため、この高値になったテスラを嫌でも買わなければなりません。
かなりざっくりとした説明ですが、要は銘柄入れ替えを狙われて、インデックス投資家の利益の一部を賢いアクティブな投資家に掠め取られてしまっているという事実があります。
以前詳しく記事にしましたが、これを何とかしようと、指数プロバイダーのSPダウジョーンズ、ラッセル、CRSP、MSCIや、各運用会社はいろいろな努力をしていました。
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【S&P500は更に良い指数に?】
さて、今回、米ハーバード大学経営大学院のロビン・グリーンウッド教授の研究によれば、
少なくともS&P500指数の場合は、指数採用銘柄が小幅に上昇するという現象がこの10年間に平均して「消失」したことが分かったそうです。
「インデックス効果の消失が金融市場の効率性向上を意味していることは朗報だ」
一般に効率的な市場とは、インデックスへの採用や除外といった非ファンダメンタルズ情報に価格が反応しない市場を指す。
さらに、各期間に対応する市場リターンを差し引くことで累積異常リターンを求めた。
結果、採用銘柄の平均異常リターンは、1990年代が7.6%、2000年代は5.2%で、2010年代は0.8%(統計的には有意でない)であることが分かった。
除外銘柄も、負の異常リターンが1990年代は16.6%、2000~09年は12.3%で、2010~20年には0.6%になった
とこのと。1990年~2000年代にあったインデックス効果がほとんど見られなくなっています。
おそらくですが似たような記事をSPダウジョーンズも以前あげていて読んだような記憶があります。
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グリーンウッド氏の検証の結果
①S&P400(中型株)からS&P500指数移行する銘柄が時間とともに増えたこと。
②指数の銘柄変更前後に売買しようとする投資家に流動性を提供する市場の能力が全体的に高まったこと。
などが理由として考えられるそうです。
流動性が高まると誰もが取引しやすくなり、結果として値動きが小さくなる
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【まとめ】
ちょっと小難しい話だったかもしれませんが、まとめると、
S&P500指数は弱点の一つである「インデックス効果」が過去10年見られなくなった。
米国市場は流動性が高まり、より効率的になったかもしれない。
と言った感じです。
インデックス投資家にとっては良い話であり、アンチインデックス投資家にとっては面白くない話かもしれませんが、
ただ、これはあくまでも米国市場の話で、日経平均とかではいまだに入れ替えが狙われるという話はよく聞きます。
今後もこの傾向が続くのか、他の指数ではどうなるか。楽しみにしていきたいと思います。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
「米株のインデックス効果、もはや望み薄」の理由。ウォールストリートジャーナルの報道がおもしろい。