世界の大多数を占める『普通の人』がオルカンやS&P500のような『市場丸抱え戦略』を採用した方が良い理由をロジカルに書いて見た。

投資まとめ

「99%の投資家が知らないS&P500の弱点とは?」

「99%の投資家が知らないS&P500の弱点とは?」というパワーワードを耳にしました。

結論をいいうと少数の企業がS&P500を牽引しているということです。

ただ、これはS&P500に限らず、

多くの株式市場、あるいは他の分野で当たりまえのことで、

(ビルゲイツのような富豪の住む10人の村の平均所得など)

弱点でもなければ、99%というのは言いすぎかなと個人的には思います。

『ヘンドリック・ベッセムバインダー教授の研究】

米アリゾナ州立大学のヘンドリック・ベッセムバインダー教授の研究によると、

1990年から2018年までの28年間、

世界の40か国で取引された上場株式約6万2000銘柄のうち、

約60%が1カ月物の米国短期債のリターンを下回っていたことわかっています。

また、米短期債を上回るリターンは

上位1.3%(811銘柄)によって説明できるとしています。

それ以外の約38%も米短期債を上回るリターンを生み出しているのですが、

その他、約60%の企業が足を引っ張りその分を相殺しています。

ベッセムバインダー教授は「結局のところ、株式市場で形成される富はごく一部の銘柄によって牽引されてる」と結論づけています。

また「歴史的に見て、パフォーマンスがトップクラスの幾つかの銘柄が市場全体への大きな影響力を持つというのが、米国と世界中の標準となっている」

「これが標準であり、将来もそうだと思う」と主張しています。

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【少数の銘柄への集中投資】

この研究の結果を聞いて、皆様はどう感じましたでしょうか?

私のように「811 / 62,000という1.3%を狙うのは厳しい。そこにコストを考慮するとなお難しい」

「10銘柄程度に分散投資してPFを組んだとしも、その10銘柄とも98.7%の方に入ってしまえば、ベンチマークを下回る結果になる可能性がある」と考えた方もいるでしょうし、

「その60%の銘柄は避け、勝ち組の1.3%を見つけよう」と思った方もいるでしょう。

事実、この研究を持ち出して、勝ち組銘柄への集中投資や、勝ち組銘柄を選ぶ(ことができると主張する)アクティブファンドへの投資を主張する記事があります。トウシるにもありましたね

【ベッセムバインダー教授の主張】

しかし、ベッセムバインダー教授の自身の主張はこうです。

ベッセムバインダー教授は、前回の研究にて、1926~2015年の90年間の米国の株式と債券パフォーマンスを調査し、

米国の株式、2万6000銘柄のうち58%が上場期間において米短期債(Tビル)のパフォーマンスを下回っていたことがわかりました。

1926-2015年の米国株の平均月次リターンは+1.13%。同期間のTビルの+0.38%を上回りました。

しかし、個別にみると、月次リターンがプラスだった銘柄は半数未満にとどまりました。
同期間に米国株が生み出した富は31兆8000億ドルですが、

これを創出したのは全株式の4%未満にすぎない約1000銘柄

しかも、うち86銘柄がリターンの半分をたたき出したそうです。


未来はどうなるかわかりません。26000社のうちの上位86社を選べますか?

ベッセムバインダー教授は、この調査結果について、

分散投資の重要性を裏付けるとともに、多くのアクティブ運用型ポートフォリオがしばしばベンチマークを下回る成績しか挙げられない理由を示している」と述べています。

参考)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-02/OKQ4BR6KLVR501

大きなリターンをもたらす銘柄は、非常に限られており、負けないためには、それらごく少数の銘柄を適切な比率でPF組み入れる必要があります。

ただ、それは非常に難しいことだったりもします。

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【参考①】

2019年までの15年間でベンチマークを下回った米アクティブファンドの割合。

途中で消えたものも含むと7~8のファンドがベンチマークを上回ることに失敗しています。

プロでも銘柄選択やタイミングを間違えます。

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【参考②】

モーニングスターのレイティング5つ星ファンドでも、全体としてはベンチマークを下回っています。

良いファンドを選ぶのはプロでも難しいことがわかります。

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もちろん、必ずしもすべてのファンドがベンチマークを上回ることを目的としているわけではないのですが、

個人的には、ファンド選択のリスクをとってそれならば、より分散効果が期待でき、かつベンチマーク並みのリターンを、低コストで得られるインデックスファンドでいいかなとも思います。

ただ、実際には、運と環境が味方すれば、もしくは(証明することはほぼ不可能ですが)明確に市場を上回るスキルがあればは、アウトパフォーマンスすることは割とできます。
麻雀でプロが度々素人に負けるように、限られた時間の範囲内では運の要素が大きく結果を左右します。

ちなみに、市場平均に勝ったことが偶然では無い(明確に自身の『スキル』によるものだ)ということを証明するためには、数学的には32年連続で市場を10%、 または302年で1%上回る必要があるそうです。

数年ほど、あるいは数%~数十%、S&P500をアウトパフォーマンスして、それを自慢する人を過去何人も見てきましたが、それが運なのか実力なのかわかりません。

そういう人の中にはそのままうまくアウトパフォーマンスを続ける人もいますし、リスクを取っていただけで、市場環境の変化などによって散っていく人も多く見ました。

また、その程度の成績を自慢して、あるいは根拠に、情報商材を売っている人は実は数字や数学の基本をわかっていない人の可能性もありますから注意しましょう。

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【まとめ・感想】

銘柄を選ぶ能力やスキル、運などを持ち合わせている方は、

ほんの1.3%や86/26000銘柄を探し出す道に挑戦するのも良いと思います。

そういうことができる方もいますし、数年から数十年という短い期間においては、運が良ければ成功する可能性はあります。

ただ、私は残念ながらごく普通の人間で、そういったスキルを持ち合わせていません。

むしろその少数銘柄を取り逃す=ベンチマークを下回るリスクの方が高いと思っています。

また、過去素晴らしい成績を残した銘柄や人やファンドが、将来も素晴らしい成績を残し続けることができるとは限りません。

モーニングスターより遥かに無知な私にどれが本物か見分ける能力はありません。

【私の結論】

①ごく少数の市場を牽引する勝ち組銘柄を逃さず、乗っかり引っ張ってもらえること。

②分散効果によりPFのボラティリティを減らせること。(また銘柄選択リスクを回避できること)

③低コストでそれができること。

④スキルや手間がかからないこと。

などから、私は、少数の銘柄が市場を牽引しているとしても、パッシブ運用のインデックスファンドに投資を続けていきたいと思います。

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
世界の大多数を占める『普通の人』がオルカンやS&P500のような『市場丸抱え戦略』を採用した方が良い理由をロジカルに書いて見た。

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