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【不況が起きるのは当たり前】
1871年以降、米国では30回の不況が発生しています。
単純に割り算すると、平均で5年に1度くらいの割合です。
しかし、30回の不況があったにもかかわらず、
S&P500は1871年から2022年6月までの過去約150年の間、
年率6.9%(インフレ調整後ドルベース)で成長を遂げてきました。
過去は未来の保障とはなりませんが、
過去、米国株式市場は、数々の不況や危機を乗り越えてきたという事実もまた変わりません。
いろいろな考え方や投資戦略があると思いますが、
当たり前に、普通に起こる、不況や景気後退に対し、
過度に慌てたり、振り回されないことが大切です。
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【タイミング戦略は有効か?】
不況や景気後退、またそれに伴う市場の低迷前に対して、
株式市場から逃げて、現金や他の資産に資金を移動することは、
一見魅力的で合理的な選択のように思います。
しかし、その戦略を成功させるためには、追加でかかるコストを考慮しつつ、
市場から出るタイミングと戻ってくるタイミング、
この2つのタイミングをかなり正確に当てなければいけません。
長期的にコストを正当化しつつ、
これを成功させつつけるのは思いのほか困難で、
多くのプロ達でも、結局、長期的にはベンチマークをバイ&ホールドした時の成績を上回ることに失敗しています。
タイミング戦略は上手くいく時もあれば、いかない時もある戦略で、
追加コストがかかる点で、やや不利な戦略だと個人的には考えています。
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【景気後退が予想できても・・・・】
もし、あなたが仮に史上最高の経済学者で、
景気後退の開始時期と終了時期をかなり正確に把握できるとします。
景気後退期には現金等価物(米3カ月国債)に資金を移し、
景気拡大期には米国株式100%のポートフォリオに資金を移したとします。
1928年以降のリターン(インフレ調整前・ドル)で結果を比較すると、
PFを移動する戦略のリターンが年率10.6%に対し、
バイ&ホールドの方のリターンは年率9.7%となりました。
正確に景気後退と拡大のタイミングを当てても、年率0.9%しか変わりません。
現実には、これほど全ての景気後退を正確に予想できた人間はいませんし、
正確に予想できてポートフォリオを動かしたとしても、
この程度しかリターンは変わりません。
【補足】
また、少し数字を掘り下げると、このアウトパフォーマンスの大部分は、1929年からの大恐慌で株価が86%下落した時の損失を回避できたことによるものです。
(その期間を除くと、バイ&ホールドの方のリターンは年率11.7%と改善します)
→ 年率リターン 9.0%
りんり@バンガードS&P500ETF(VOO)@SandP500ETF
S&P500や米国株式市場は経済の動きと必ずしも一致しません。
多くの場合、経済が軟化する前に下落し、景気後退が終わる前に上昇を開始します。
http://etfsp500.com/archives/31250050.html
タイミングを片方だけ成功させる人。あるいは短期的に成功させる人はざらに見ますが・・・
その両方でかつ長期的に、市場タイミングを正しく判断することは非常に難しく、
一般的なプロかそれ以下のスキルの投資家は、動くことで、長期的にはポートフォリオに利益を齎すより、かえってダメージを与えてしまうという研究がいくつもあります。
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【まとめと感想】
長期的に、コスト控除後で、市場をアウトパフォーマンスし続けるほどの、
ずば抜けたスキルか運を持つ方以外の一般的なプロかそれ以下の投資家であれば、
タイミング戦略を採用せず、
単純にバイ&ホールドした方が上手くいく可能性が高いと私は思います。
また、経済と株式市場(株価)には時間軸にギャップがあります。
株式市場は未来を織り込み、経済指標は過去の結果だということに注意しましょう。
ただ、どの程度、時間にギャップがあるかはその時々で、コロナショック時のように急反応することもあれば、15カ月など数カ月に及ぶケースもあります(つまり難しい(笑))。
逆にない方がおかしいし、なければなかったでデメリットもあります。
資産を加速させてきたように、
冷静かつ合理的な判断のできる、長期投資家にとって、
不況や景気後退は、資産形成を加速させる、旨味のある時期ともいえるでしょう。
不況や景気後退も経済や株式市場、長期投資をする上では、
必要で当たり前のサイクルと捉えると捉えることが大切です。
不必要に警戒しすぎて、
自らの手で、ただ黙って航路を守っていた時に比べて、
リターンを押し下げてしまわぬよう注意しながら、
いつもどおり、楽しく、投資を続けていきましょう。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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