岸田首相「GPIFの資金、ベンチャーキャピタル・スタートアップに循環する流れ作る」【年金積立金管理運用独立行政法人】

投資まとめ

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

【ブルームバーグの報道】

本日昼にブルームバーグにこんなニュースがありました。

GPIF資金、VC・スタートアップに循環する流れ作る-岸田首相

岸田文雄首相は12日夜、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの長期運用資金や個人金融資産が「ベンチャーキャピタルやスタートアップに循環する流れを作る」と話した。

【首相官邸の声明】

まあ、よくあるマスコミの言葉尻狩りかと思い、

首相官邸のHPで公式声明を確認してみることにしました。

令和4年4月12日 新しい資本主義実現会議 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ
岸田総理は、総理大臣官邸で第5回新しい資本主義実現会議を開催しました。

新しい資本主義実現会議「会議のまとめを行う岸田総理2」
00

総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日は、『コロナ後に向けた経済システムの再構築』を中心に議論を行っていただきました。第一に、スタートアップの育成です。官民の役割分担をした上で、5か年計画を作成し、実行のための司令塔機能を明確化いたします。

まず、資金面の対応です。週末に神戸で創薬やバイオのスタートアップ経営者の方々とお会いいたしましたが、資金調達の困難さを訴える声が印象的であり、大胆な支援を行っていく必要性を実感いたしました。

海外からの誘致も含めて、ベンチャーキャピタルへの公的資本の投資拡大を図ります。

また、個人金融資産やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)等の長期運用資金がベンチャーキャピタルやスタートアップに循環する流れをつくります。

間違いなく、言ってますね。

この前後の「資金調達の困難さ」「大胆な支援を行っていく必要性」「IPO(新規株式公開)プロセスの見直し」などについては全然わかります。

でも、ここにGPIFを絡めてきているのが個人的には少しどうなのかなと思います。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
【GPIFについて】

GPIFは、岸田首相の発言について、「詳細について承知していない」と回答しています。

ちなみに、GPIFは現行の制度でもベンチャーキャピタルへの投資は可能です。

GPIFは、元々、資産全体の5%を上限にプライベートエクイティー(PE、未公開株)を含むオルタナティブ資産の運用を行う方針となっています。

詳細は開示されていませんが、2020年度の業務概況書によると、21年3月末時点のオルタナティブ資産の時価総額が年金積立金全体に占める割合は0.7%(1兆3419億円)。うちPE投資は610億円となっています。

ここでポイントなのは、そもそもGPIFの運用目標は「名目賃金上昇率+1.7%」を「できるだけ最低リスク」で達成することです。

00

そもそもこの目標が適切かという議論や、

方法についての議論があってもいいと思いますが、

ひとまず、現状GPIFの目標は概ね達成できていると言えます。

【有識者の見解】

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト

VCやスタートアップへの投資について、

GPIFの運用収益底上げというのは「あまり期待できない」ものの、リスクを取る投資家が少ない中で、「日本の将来のためにという活用の仕方はあってもいいのかもしれない」と指摘。

ただ、「それが国民の望むところなのかどうかというところは微妙。賛否両論ある」。

UBS証券の足立正道チーフエコノミスト

ヒト・モノ・カネを循環させる上で「GPIFを活用するというのは当たり前だ」との見方を示した。日本が安倍政権時代からベンチャー企業の支援をうたっていたことを念頭に「ずいぶん前に出てくるべきだった」と指摘し、「長期の投資にベンチャーを入れないというのはあり得ない」と述べた。

運用収益底上げというのは「あまり期待できない」とする意見もある一方で、GPIFを活用するべきだという意見もあります。

【個人的な感想】

個人的な第一感ですが、官主導でやって上手くいくのか。現行のままではだめなのか。別のベンチャーキャピタルではだめなのか。年金運用の目標と見合うのか。

より積極的にベンチャーキャピタルへ投資するために必要な人材を確保できるのか。(おそらく高報酬でなければ良い人材は集めにくい)

VC市場の規模などを考えると。年金ファンドへの影響は限定的であり、そこにお金や労力を費やす必要があるのか。

小さな失敗をつつかれて、いつものようにマスコミに叩かれる餌になるのでは。というような感想を抱きました。

あと、変に官主導で変な制限や縛りを追加するのは、年金を運用している現場の人たちが大変だなあと思いました(小並感)

00

ただでさえ、ちょっと市場全体が落ち込んで1四半期のリターンがマイナスになっただけで、マスコミに騒がれて、いいように叩かれるGPIFですから。

ここで、ベンチャー企業に積極的に投資して失敗(VC投資にはつきもの)でもすれば、マスコミにいい餌を与えることになるでしょう。

かといって、それを嫌って手堅くやれば、結局銀行等とあまり変わらない感じになると思いますし、現場の人は大変だなと思います。

個人的にはピーターティール等も好きなので、VC投資にそこまで悪い印象はないですし(むしろ面白そうと思う面もある)、

イエール大学等、各機関投資家もVC投資を含むオルタナティブ投資を行っているので悪いことではないと思うのですが、

変に現場に介入して、不必要にかき乱したり、制限を加えるのではなく、GPIFはGPIFに運用を任せて目標を達成してもらい、

岸田総理にはその他の方法でベンチャーキャピタルを応援してあげて欲しいなとも思いました。

あと、個人投資家の中でも全力でレバレッジ投信を買う=リスクを積極的に選好する層はいますから、そういうお金がVC企業に流れやすい環境があっても面白いのかなともいましたが、
投資インフルエンサーが喜び、煽りそうな光景も目に浮かびました(笑)。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

00

投資家によりリスクをとってもらい、ベンチャーキャピタルへの資金流入を促したいのであれば、

投資家がリスクをとりやすい環境、リスクをとった投資家が報われる環境であることも重要であると思います。

「お金を出せ」「リスクをとれ」だが「課税してリターンは奪う」「自社株買いも規制する」では、流石にちょっとなんだかな思います。

結局、リスクテイカーが報われなければ、技術も社会も進歩しません。

ベンチャーキャピタルを応援したければ、機関および個人投資家がより投資しやすい環境、投資したくなるような魅力的な制度や環境を整えることが重要だと思います。

正直、この問題に関してはあまり詳しくないので、名言は避けたいと思いますが、

皆様はどう思われましたでしょうか。

もし、意見がある方はTwitterのコメント欄に書き込んでいただけると嬉しいです。

私も岸田総理を見習ってみんなの意見をよく聞こうと思います。

また、直接自身の意見を岸田総理に届けたいという方は、首相官邸のHPから意見伝えることはできますので、もしよかったら送ってみてください。

首相官邸に対するご意見・ご感想

さて、私はちょうど良いきっかけになったので、

久々にオルタナティブ投資について学びなおしてみようと思います。

岸田総理、勉強する良いきっかけを与えて下さり、ありがとうございます。

いつもありがとうございます。

もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村


米国株ランキング

ランキングサイトに参加しているので、

上の応援ボタン2つをクリック頂けると、

ものすごくありがたいです。毎日記事を書く励みになります。

お得なキャンペーン情報

初株キャンペーン

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

 
Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
岸田首相「GPIFの資金、ベンチャーキャピタル・スタートアップに循環する流れ作る」【年金積立金管理運用独立行政法人】

タイトルとURLをコピーしました