VTやVOOやVTIは最高の高配当銘柄である。S&P500から高配当株への乗り換えは正解か?

投資まとめ

【資産形成後期は高配当株に切り替えるべき?】

資産形成の後半や、リタイア後に、生活費やインカムを確保するため、

それまで長期投資をしてきた、VOOやVTI等のETF、もしくは投信を売って、高配当株に乗り換える計画です。

という話を聞くことがあります。

もしくは、下落局面が続くとインカム重視の投資戦略が見直されたりもします。

今回はこんな感じの戦略について私の個人的な意見を述べていきたいと思います。

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【VOOやVTIの将来の分配金利回り】

先程のような意見を言う人が、口を揃えて指摘するのが、

VTIやVOOの現在の分配金利回りが1.数%しかない事です。

資産が1億でも分配金1%(約100万円)では心もとないというのです。

個人的にはこの考え方は少し間違っていると思います。

未来のデータがないので何とも言えないのですが、

例えば、VTIの分配金は過去下の図のように増えてきました。

VTIの過去の分配金の推移(四捨五入)
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2001年の分配金を出したのは第2Qからなので、

2002年を例に考えてみます。

2002年のVTIの分配金は0.63ドル

VTIの株価はだいたい40~50ドルの間くらいでした。

2002年に、仮に45ドルでVTIに投資をしたとしたら、

0.63ドル÷45ドル×100=1.4%

その当時の分配金利回りは1.4%となりました。

ここまでは、今とあまり変わりません。


【VTIの分配金利回りは5%を超える】

しかし、VTIをそのまま2020年まで保有していたとします。

2020年の分配金は2.27ドル。

2.27ドル÷45ドル×100=5.04%

年々分配金が増えている事によって、

2002年にVTIに45ドルで投資した投資家が得られる、

2020年の分配金利回りは約5%にまで増えています。

そこら辺の高配当株やETFに負けない利回りですよね。

一例として、5年前の2016年の10月頃にVTI買っていたら、

現在得られる分配金の利回りは約2.6%程になっています。

【余談ですが】

余談ですが、私が一括投資の方が好きな理由の一つがこの辺にもあります。

今後も必ずこうなるとは言えませんが、投資期間が長くなれば、自分が手にする実際の分配金利回りがより高くなる可能性があります。

今よりも20年後、30年後は、実際に受け取る分配金利回りがより高くなっていることでしょう。

周りをざっと見渡した時、分配金利回り5%程度でこれほど低リスクの投資対象を私はすぐに思いつきません。

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【株価の上昇によって見えにくくなっている】


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ではなぜ、VTIやVOOの利回りがだいたいいつも1%程度かというと、

これは、皆さん、ご存知のように

VTIは2001年の設定以降、分配金だけではなく、

「株価」も右肩上がりで成長し、約4倍となったからです。

株価「も」伸びているから、

分配金利回りは暴落時等を除き、だいたい約1%程度となっているわけです。

分配金利回りだけで考えるとこの株価上昇を見逃してしまいます。

先程の将来実際に得られる分配金という視点に加えて、

投資家はインカムとキャピタルその両方を考えることが大切です。

「分配金」+「将来売却する時のリターン」で考えると、

やはりVTIやVOOは魅力的なETFの一つだと思います。

【VOO・VTI→配当戦略の問題点】

実際にVOOやVTIを売って配当株に乗り換える時のことを考えてみましょう。

VOOを売った時と、配当を貰う時(配当株を売る時)

二回税金がかかるのが、この戦略の最大の問題になると思います。

例えば、含み益が1億のVOO売る場合、

およそ20%の税金がかかるので、含み益は8000万円になります。

これは正直痛いですよね。

そこから更に配当株から配当を得る際に、

国によっても異なりますが、

例えば、米国株の場合、外国税額控除で一部取り戻せるものの、

配当金や分配金に約30%課税がされます。

この配当を受け取る際や、配当株の売却時にも、

更にもう一度、税金がかかるのがすごく痛いと私は感じます。

しかも、そうしてまでして買った、

その配当株が昔買ったVOOやVTIよりも、

低リスクで高い配当利回りを投資家にもたらしてくれるとは限りません。

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【配当戦略のリスク】

配当株に変えると一言で言っても、

実に様々な戦略が考えられます。

そして、そのほとんどの戦略でVOOやVTIにはない追加リスクを背負う事になります。

リタイア前後はなるべくリスクを減らしたいと思うのが通常だと思いますが、

配当株に変える事によって、いろいろな問題が発生します。

例① 個別銘柄選択リスク。 

米国でも日本企業でも減配・倒産する企業はざらにあります。

配当利回りが高い企業は危ない企業も多く含まれています。

「参考」米国企業の寿命

例② 特定のファクターに加重するリスク

VYMやSPYDのような配当ETFを使った場合でもリスクはあります。

ここ10年バリュー株が絶不調だったように、

市場環境によっては、高配当株が絶不調におちいる可能性があります。

配当という特定のファクターに加重することは、上手く行くこともあれば、行かない時もあります。

敢えて人生後半にその賭け、追加リスクを引き受ける必要はないかと個人的には思います。

無配株、低配当株が市場を牽引した際、それらを手放すことによって、その恩恵を受けることができなくなります。

高配当戦略は決して万能の戦略ではなく、メリット、デメリットがある普通のアクティブ戦略の一つです。

例③ 分散効果が減る

②と重複しますが、VOOに比べ、

配当株に投資をすることで、分散効果は減ります。

高配当の中には低ボラティリティな銘柄もありますが、

基本的にPFのリスクは高くなると考えます。

一例として、SPYDがコロナショックで市場より暴落したのが記憶に新しいかと思います。

また、高配当株に投資をしようとするとどうしてもセクターが偏る傾向があります。

そのセクター全体が不調に陥る可能性も引き受ける事になります。

例④ 能力が落ちているであろう老後に投資判断を続けるリスク

以前書きましたが、バフェットの師匠フィッシャー等もこれに苦しみました。

年齢を重ねてから、最新の情報についていきつつ、銘柄分析をするのはきついと思います。

例➄ コスト

大抵の配当戦略よりVOOやVTIの方がコストはかかりません。

コストは確実に実際に手にするお金を押し下げます。

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【まとめと感想】

今のVOOやVTIの分配金利回りを見て、

それだけでは将来生活できないという意見も聞きます。

でも、VOOやVTIの将来分配金は5%、10%、

投資期間や環境によってはそれ以上になっていることも考えられます。

売却してもキャピタルゲインはまずまずのものとなっているでしょう。

【株式配当だけではなく人生トータルで備えよう】

何よりも株式以外のその他の収入源、年金や退職金等もあります。

それらを上手く活用しても、生活ができないというのであれば、

変に株式の配当に頼るのではなく、退職を伸ばしたり、副業をする等で収入を増やしたり、

支出を減らす、生活レベルを落とすなど生活を見直す事も考える必要があると思います。

税金を払ってまで高配当銘柄に切り替えた挙句、減配や倒産したりしたら、

泣き面に蜂になってしまいます。

とまあ、以上はあくまで個人的な感想、考えです。

私は人の投資に口を出すつもりはないので、最終的には好きなようにやって頂くのが良いと思います。

注)高配当戦略をそのものを否定しているのではありません。
今回は、リタイア前後にVOO・VTIから「現在の」分配金利回りの低さ等を理由に、高配当株に切り替えようとしている方に、

こういう視点もあるんですよ。本当に高配当株に切り替える必要があるのでしょうか。

一旦考えてみるのもいいんじゃないでしょうか。という気持ちで気軽に書きました。

VTIやVOOに長期投資をしている人、高配当戦略が好きな人にとって何かしらの参考になれば幸いです。

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
VTやVOOやVTIは最高の高配当銘柄である。S&P500から高配当株への乗り換えは正解か?

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