バンガードが全世界株式への分散投資を主張する理由とは?

投資まとめ

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

00

【米国の投資家は今後10年間、国際的な株式を保有することで報われる可能性が高い】

バンガードの投資戦略アナリスト、CFAのイアン・クレスナク氏は、

①「国際分散はポートフォリオのボラティリティを軽減するのに役立つ」

②「過去10年間の米国株のアウトパフォームの原動力は、今後10年間のパフォーマンスの低下の種を蒔いた可能性が高い」と指摘しています。

①の分散投資がリスクを抑える効果があるというのは投資の基本中の基本ですから割愛しますが、国産分散投資の大きなメリットの一つです。

②についてはもう少し深堀して解説しましょう。

【循環と高い期待リターン】

過去10年間、米国の投資家にとって、広範に分散された米国株式のポートフォリオは、同様の米国以外の株式のポートフォリオの約2倍のリターンをもたらしました。

下の図は、2013年4月1日から2023年3月31日まで、

米国株式が米国を除く全世界株式を年率7.5%上回るリターンを達成した要因を分析したものです。

00
米国株式はMSCI USA Index、国際株式はMSCI ACWI ex USA Indexで表されます。

過去10年間の米国株の7.5%アウトパフォーマンスの要因の内訳は、

①バリュエーションの拡大(+3.3%)
②米国企業の利益成長(+3.2%)
③為替の影響(+2.1%)

であることがわかります。

それが配当(‐1.1%)の差を相殺して7.5%となります。

※過去記事に書きましたが配当は米国以外の地域の方が高い傾向にあります。(この点米国高配当押しのインフルエンサーはどう考えるのかな)

米国株が過去10年、その他の地域をアウトパフォーマンスしたのは、

投資家が、米国の経済や企業の収益が、海外の同業他社の時価総額平均よりも早く成長すると予想し、実際にそうなったことが要因です。

しかし、これがもたらしたバリュエーションの拡大によって、米国株はバンガードのフレームワークが示す公正価格よりも割高になりました。

個人的に付け加えると、過去10年間の低インフレと低金利という環境も、高いバリュエーションを加速させ、正当化してきました。

が、当然、次の10年も過去10年のように低インフレと低金利の環境が続くとは限りません。米国株のアウトパフォーマンスの要因だった追い風がなくなる(どころか向かい風になる)可能性があります。

行き過ぎたバリュエーションはいつか是正されます。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

【バンガードの予測】

00

上の図は、2023年4月1日から2033年3月31日までの期間について、バンガード・キャピタル・マーケッツ・モデル(VCMM)による1万回のモンテカルロシミュレーションの結果から推定したものです。

ここ最近のバンガードの予想同様、米国以外の地域の株式のアウトパフォーマンスが予想されています。

米国以外の地域のアウトパフォーマンスの要因を分析していくと、

①バリュエーション +0.4%

まず、過去米国のアウトパフォーマンスの最大の要因だったバリュエーションの拡大ですが、世界的に株価はフェアバリュー(公正価格)に近づくと予想されます。

(バンガードの推定で)米国株のバリュエーションが1.6%縮小、米国以外の地域が1.2%縮小した場合、差し引き、米国以外の地域が年率平均で0.4%程の優位なります。(個人的には米国のバリュエーション縮小1.6%は控えめな数字のようにも思います)

②為替 +1.1%

バンガードの試算では、米ドルは長期的なファンダメンタルズ要因から推測されるよりも約12%高く評価されているとのこと。

ただ、今後10年間は、為替が米国以外の国際株式のリターンを米国株と比較して、約1.1%押し上げる可能性があるとのこと。

この部分に関しては、ドルベースの話です。為替について考えるときは、私たちが日本から投資する日本人であることも注意しましょう。

③配当 +1.4%

配当は米国以外の地域の方が高い水準で推移するというトレンドは変わらない見通しです。

④利益成長 ‐0.7%

■□━━ 急げ、ドメインは早い者勝ち! ━━□■
     ■お名前.com

過去10年ほどではありませんが、米国企業の方が、他の地域の企業よりも成長するという予測で、ここは米国株のリターンに優位に働いています。

ざっくりいうと0.4+1.1+1.4‐0.7=+2.2%という感じです。

バンガード自身が述べているように、これは将来を保証するものではありません。

またバンガード自身の予想がそうであるようにブレ幅を考えることも大切です。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

【結論】

ところどころ省略して要点だけ話していますが、

ではここまでを踏まえて投資家はどうすればよいのか?

どのくらい、米国以外の株式にアロケーションすればよいのか。

イアン・クレスナク氏は、こう述べています。

構造的な観点から見ると、幅広い地理的分散によりポートフォリオのボラティリティを低減できるため、国際株式に配分することは理にかなっています。

時価総額加重アプローチを用いると、米国株式60%、米国以外の株式40%という配分になります。これはPFの株式部分に関しては理にかなっている可能性があります。

ただ、コストや税金の影響、規制などを考慮して、投資家に別の配分を検討させることも可能です。

景気循環の観点から、必要な時間軸とリスク許容度を持ち、アクティブ運用に関心のある投資家は、今後10年間、海外株式がアウトパフォームする可能性があることから、海外株式への適度なオーバーウェイトを検討するかもしれません。

下図は、バンガードの今後10年間の市場リターンのシミュレーションの結果です。

00
米国以外の地域の株式が米国j株式を上回るリターンとなるケースが多いことがわかります。

当社のシミュレーションによると、

全世界の株式60%、債券40%のポートフォリオ(時価総額加重)で分散投資したポートフォリオは、米国株式のみのポートフォリオに比べて、年平均で+0.6%高いリターンが期待でき、予想リスクは0.4%低くなりました。

しかし、また、この図は、米国株式が今後もアウトパフォームする可能性がそれなりにあることを示しています。

(だから、国際的な分散投資がいいというわけですね)

しかし、バンガードのシミュレーションによると、

今後10年間で、米国株が過去10年間と同じくらいアウトパフォームする可能性は1%未満である。

全世界株式派も、先進国株式派も、米国株投資家も、S&P500に集中投資をする方も、アクティブ投資や個別株投資をする方にとっても、この記事がお役に立てば幸いです。

いつもありがとうございます。

もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村


米国株ランキング

ランキングサイトに参加しているので、

上の応援ボタン2つをクリック頂けると、

ものすごくありがたいです。毎日記事を書く励みになります。

 
Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
バンガードが全世界株式への分散投資を主張する理由とは?

タイトルとURLをコピーしました