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【景気後退に向けた心構え】
しかし、その一方で市場の下落に耐えられない投資家の方は大勢います。
今回は、市場の下落や混乱によって「何かしなければ」とか「投資をやめたい」と思うその時のために、心に留めて置きたいいくつかのこと書いていきたいと思います。
まず、心に留めて置いて欲しいのは、
ベアマーケットや景気後退など、株式市場の「下落局面」は珍しいことではありません。
一般的な投資家であれば、一生の間に何度か経験するのが普通です。
特に慌てる事でも、異常なことでもありません。
例① 米国株式市場
過去、直近の最高値を上回ることができなかった期間
右肩上がりと言われている米国株式市場ですが、振り返ってみると、直近の最高値を上回ることのできない、マイナスや横ばいの時期が過去これほどありました。
S&P500指数は、今年1月4日以降200日以上に渡って最高値を更新していませんが、まあまあスタンダードといえるでしょう。
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② 全世界株式と弱気相場
こちらは全世界株式指数のチャートと、ベアマーケットの時期を表したグラフです。
出典 バンガード1980年1月1日から1987年12月31日まではMSCIワールド・インデックス、それ以降はMSCI ACワールド・インデックス。
今でいうオルカンやVTのような投資商品を用いて、全世界の株式市場に分散投資をしていたとしても、1980年から現在までの約40年間の間に、9度の大きな下落と弱気相場を投資家は経験することになりました。
【当たり前の弱気相場を受け入れよう】
もちろん、この頻度は切り取る時期によっても違いますが、何十年と長期投資を続けていくのであれば、暴落や弱気相場に自分は「遭遇しない」「巻き込まれない」と考える方が不自然だということがわかりますね。
繰り返しになりますが、弱気相場や株価の下落は珍しいものではありません。当たり前のものと考え、慌てないようにしましょう。
慌てたり、冷静さを欠いても1円にもなりません。
それどころか、損を確定させ、その後の反発を逃すことにもつながります。
【反発は景気後退中に起こる?】
過去、景気後退に伴い、あるいはその懸念から株価が下落した際、
株価は未来を折り込むため、その一番の底や反発は、
景気後退が終った後ではなく、景気後退の最中で起こるケースが多くあります。
暴落待ちの戦略をとる際の難しさの一つが、
どこが底かは後になって振り返ってみないとわからない点にあります。
【リスクがあるからこそリターンがある】
そういうリスクがあるからこそ、定期預金などよりも高いリターン(リスクプレミアム)が期待できるということを忘れないようにしましょう。
もう一度上の2つのグラフを見てみましょう。
過去最高値を更新できない時期や、9度のベアマーケットがあったのも関わらず、長期的には、S&P500や全世界株式のチャートは皆が大好きな右肩上がりになっていることがわかります。
過去、何度も困難な時期があったにもかかわらず、人類や資本主義経済、株式市場はそれを克服してきたという事も忘れないようにしましょう(←これは時に過大評価され、下落中には過小評価されるおもしろい言葉だと思います)。
下の図は先ほどの全世界株式のチャートを別の形で表したものです。
弱気相場の中には急激なものもあるし、長く続くものもありますが、
強気相場の上昇の方がより高く、しかも長続きすることも多く、
長期的に見れば、株式投資家は、引き受けたリスクに対し十分に報われていたことがわかります。
【余談】
ただ、いつこのサイクルが変わるかはわかりません。過去多くの投資家がタイミングを計るのに失敗して、ただ、黙って市場に居続けた場合に食らえて、自らリターンを押し下げてしまっていた。という研究が複数あります。
余程タイミングを計るのが上手い人以外は、この「リスクとリターン」「強気相場と弱気相場」「株価の上昇と下落」等の両輪を受け入れ、コストを抑えつつ、できるだけ、長く市場に居続ける事が複利を活かしつつリスクプレミアムを集める効率的な方法だと思います。
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【まとめ】
株式という『リスク資産』に資金を投じているわけですから、リスクは避けれらません。
株価の上下や市場の上下、暴落や弱気相場、景気後退を過度に怖がる必要はありません。
当たり前に起こる普通のことだと認識するようにしましょう。
慌てたり、冷静さを欠くのが一番の悪手です。
もし、怖い、不安だと感じる方がいれば、リスクを取りすぎている可能性があります。また全く怖くない方はリスクを取らな過ぎている可能性もあります。
ただ、初心者の方に、いきなり自分にあう資産配分やリスク許容度を見つけろというのは酷な話です。上昇相場と下落相場その両方を経験して、自身の心と素直に向き合い、人生を楽しめる範囲で投資をすることが大切だと思います。
それが見つかるまでは、下落に負けて投資をやめないよう保守的に、また、実際にPFの資産配分を動かすのであれば、下落中ではなく平時に行うと良いと思います。
市場が良い時には株式投資の怖さやデメリットが目に入らなくなるのと同様に、市場が悪い時は、株式の長所が目に入らなくなる方が大勢います。
でも、実際はリスクは常にあるものですし、リスクの中にリターンの源泉があるわけですから。いい時も悪い時もそれらを忘れないようにしましょう。
株式投資家は引き受けたリスクに対し、長期的には十分に報わるほどの、報酬を得ることができました。
景気後退やベアマーケットの中でも長期的な視点を失うことなく、投資を続ける事が大切だと思います。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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