米バンガード「公正価格に近づいた米国株式」と「債券市場の明るい見通し」【いつ、この下落は終るのか?】

投資まとめ

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【米バンガードのレポート】

米バンガードのPF運用責任者兼チーフエコノミスト、

ロジャー・アリアガ・ディアス氏が、

今後の米国株式と債券についてのレポートを公開していたので紹介します。

Brighter prospects for fixed income ahead

レポートでは、債券市場についての明るい見通しと、

公正価格(フェアバリュー)に近づいた米国株式について書かれています。


※未来は誰にもわからないし、現時点で誰にも予測できないブラックスワン的なイベントがおこる可能性があるといった当たり前の注意はさておき、米国人投資家に向けた、米国人視点のレポートであることを考慮しつつ読んで頂ければ幸いです。

【よくある質問について】

FRBの一連の利上げは株式と債券の両方に打撃を与え、

伝統的なポートフォリオは役に立ちませんでした。

また、金利は上昇するだけではなく、しばらくの間、高い水準のままとなる可能性があります。

このような状況から、必然的に、私と私のポートフォリオ構築チームは、

次の2つのテーマのどちらかに該当する質問に答えてきました。

「この下落はいつ終わりますが?」

「バランスの取れたポートフォリオは時代遅れですか?」

最初の質問に対して、正確な答えを出すのは、傲慢で、思い上がりも甚だしいですが、

FRBは、おそらく2023年のいずれかの時点で、おそらく穏やかな景気後退の最中に、インフレを抑え込むでしょう。

また、景気後退は必ずしもバランス型投資家にとって悪いことではありません。むしろ新たな始まりとなる可能性があります。

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【債券の明るい見通し】

FRBの積極的な利上げが報われれば、インフレは緩やかな下降を続けるでしょう。

基本的な見通しではFRBは2023年に利上げを停止し、市場の不確実性の主な原因が解消されます。

通常、景気後退の始まりには、債券価格の上昇と利回りの低下が伴います。

これは長期債の方が顕著です。

今年見られた、米国株式と米国債券のリターンの異常な正の相関は低下する可能性があり、

2つの資産クラスが同時に下落する、下降スパイラルが終わる可能性があります。

よって、「株式と債券」に分散するバランスのとれたポートフォリオは決して時代遅れではありません。

これらすべてが実現すれば、

債券は、また株式のバッファー(緩衝材)としての役割を再開することになるでしょう。

また、債券とバランスの取れたポートフォリオを支持する要因は、もう一つあります。

債券の実質金利は、長年にわたるマイナス金利(インフレ調整後)に終止符を打つと思われます。

実質金利がプラスに転じようとしている今、債券の優位性は増々高まっています。

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【フェアバリューに近い株式】

 FRBが提供したガイダンスに基づけば、

必ずしも正確なタイミングではないにしても、債券のパフォーマンスの軌跡は、ある程度合理的に予測することができます。

株式の予測を行うのは債券より困難ですが、中期的には慎重に楽観する余地があります。

FRBの利上げサイクルが始まった当初、米国株式市場は過大評価されていました。

2021年末のS&P500指数のシラーPERは、当社が推定するS&P500の公正価値を30%以上上回っていました。

しかし、今年の下落によって、長期平均に近い水準となりました。

〇回復までには時間がかかる可能性も

2009年初頭や最近の2020年3月のように、

株価が急落したのと同じくらい、急激に回復するV字型のリバウンドを期待している人は、がっかりするかもしれませんが、

ある意味では、株式が過大評価され、その後の暴落によって市場のフェアバリューが長期平均に近づいた 1999~2000年の市場状況に近づいています。

ドットコム バブルが崩壊した後、最終的にリターンは正常化しましたが、市場のV字型の反発はありませんでした。

〇長期的な期待リターンの改善

現在の株式市場の低いバリュエーションには、将来の期待リターンの増加という利点があります。

私たちのモデルは、過去の長期平均をまだ下回っているものの、

米国株式と米国以外の株式の両方で、

1年前よりも約2%高い、今後10年間の年率リターンを予測しています。

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※国際分散も重要

また、FRBが他の中央銀行に比べて積極的に利上げを行ったことによる最近のドル高と、

世界的な危機の際に米国債に逃避する自然現象は、

非米国の投資のリターンが米国投資と比べて短期的に低くなることを意味します。

しかし、長期的には、これら2つのドル高要因が逆転し、非米国株の上昇につながると考えています。

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【まとめ】

米バンガードのPF運用責任者兼チーフエコノミスト、

ロジャー・アリアガ・ディアス氏は以下のように指摘します。

『歴史が示唆するように、バランス型投資家の忍耐は報われるでしょう

過去半世紀にわたり、伝統的な60/40ポートフォリオは、株式と債券の両方で3年間のリターンがマイナスになったことは一度もありませんでした。

底値がどこかはまだ分かりませんが、今逃げ出した投資家はリバウンドを逃すことになります』

『全体として、債券と株式市場の見通しが改善されたことで、バランス型ポートフォリオの期待リターンは徐々に過去の平均値に戻りつつあります

多くの投資家にとって、資産クラスや国境を越えてバランスよく分散投資することが賢明であることに変わりはありません』

【感想】

さて、いかがだったでしょうか。

個人的には、教科書通りといいますか、割と当たり前かつ常識的な内容が記載された、よいレポートだと思いました。(だから紹介しました)

また、初心者の方や現状不安や苦しいながらも、忍耐強く投資を継続している、長期投資家の方やインデックス投資家の方にとって勇気づけられる内容ではないかと思います。

いろいろな投資戦略があると思いますが、

幅広く市場全体に投資するようなインデックスファンドに長期投資をする投資家の方やバリュー投資家の方にとっては、ピンチはチャンスとなり得ます。

困難な時こそ、規律と合理的な計画、つまり航路を守り、自分の出来ることに注力しながら、いつもどおりの投資を続けていきましょう。

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
米バンガード「公正価格に近づいた米国株式」と「債券市場の明るい見通し」【いつ、この下落は終るのか?】

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