「QQQ+VUG」は最高の投資戦略だったのか?
QQQはNasdaq100に連動するETFで、VUGはバンガードの米グロース株ETFです。
最初に誤解のないように言っておくと、それぞれは低コストでNasdaqや米グロース株に分散投資ができる良いETFだと思っています。
ただ、それを組み合わせたPFが最高と断言するのは少し安易ではないかとも思います。
例えば、2021年年初から見ると、今のところ最強とは程遠い成績となっています。
青「QQQ+VUG 50:50」赤「VTI(全米株式)」黄色「VTV(バリューETF)」
特定の戦略(今回はグロース株)に加重しすぎることには、メリットとデメリットがあります。
安易に直近や過去のリターンを基に最強と断言するのではなく、そのバランスをよく考えること。
また、過去最も成績の良いPFを探すのではなく、未来のためのPFを考えることが大切だと思います。
QQQのファクター分析
下の図は当時のQQQをMSCI FaCSの6つの主要なFactor Boxで分析した図です。現在はモメンタム指数の銘柄入れ替えがあったため大きく異なります。
一目で、VUGとQQQととても似ていることがわかります。
米国大型グロース株に投資をしたい場合は、上記2つのようなETFを使うと、簡単に、低コストで、分散投資ができるので、私も良いアイディアだと思うのですが、
それらを2つも3つも重ねても、あまり意味がありませんし、また違ったリスクを背負う事になります。
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特定のファクターに加重し過ぎるリスク
個別銘柄やセクターは、それぞれ「多少」は異なるため、それで「多少」分散できるリスクもあります。
でも、約60%の銘柄が重複し、結局ウェイトの大きいGAFAMなどの銘柄やセクターは同じなので、分散効果は高くはありません。
また、これらの大型グロース株を中心とするETFはだいたい「モメンタム」「クオリティー」ファクターに加重している傾向があるため、
それを重ねれば、重ねるほど当然この2つのファクターの成績の影響を受けやすいPFとなります。
全ての状況下で万能なファクターは存在しません。
バンガードのpdfより引用
バンガードの研究によれば、主要なファクターはそれぞれ60か月(5年)以上、市場平均を下回った時期を経験しています。
「モメンタム」や「クオリティー」ファクターも例外ではありません。
両ファクターとも市場平均を20%以上、下回り続ける時期を経験しています。
「メリット」と「デメリット」を意識する
例えば、「QQQ+VUG」を重ねる事で、特定の状況下で強くなります。
と同時に、モメンタムやクオリティーファクターが不調に陥った時にはものすごく脆いPFもなります。
全ての状況下で万能な「ファクター」や「アクティブ戦略」は存在しません。
上手く行く時と行かない時があります。
今回で言えば、グロース株やバリュエーションの高いIT・ハイテク株は金利上昇局面に弱いため、それに特化していたPFはもろに影響を受けることとなりました。
決して、誤解しないでほしいのは、私はこれらのETFやグロース株、アクティブな戦略そのものを否定しているわけではありません。
今回は、例として「QQQとVGU」を出しましたが、例えば「バリューETF」を重ねた場合も結論はほとんど変わらないでしょう。
投資をする時には「メリット」と「デメリット」、要は「弱点」や「上手くいかない可能性」についても、良く考えて投資をすることが大切だと思います。
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まとめ
直近の成績や未来の素敵な物語にばかり耳を傾け、リスクや都合の悪いデータを無視するのはあまり賢明な投資とはいえません。
勝ち組ファクターの入れ替わるタイミングがわかればよいのですが、それもまたなかなか難しい話。
基本的には、バランスのとれたポートフォーリオを見失わない事が大切だと思います。
バランスを意識して投資をすることが大切だと思います。
難しいと思った方や投資に時間を割きたくない方は、時価総額加重の伝統的なインデックスファンドに投資をする事を私はお勧めします。
そのうえで、もし、アクティブ投資や集中投資をされる方は幸運を祈ります!
どうせやるのなら、是非、成功を掴んでください
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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