アメリカの景気ですが、どうも3月は良くないようです。
昨日3月15日にニューヨーク連銀から製造業指数(製造業の景気の強さを数値化したもの)が発表されましたが、この数字は急速に悪化しました。
2020年5月以来の低い水準になり、製造業が感じている景気は「悪化」の領域に入っています。
この記事のポイント
- ニューヨーク連銀製造業指数は予想を大きく下回り、2020年5月以来のマイナス11.8を記録した。
- この数字はアメリカの景気の好不調を表す指標の1つのISM製造業指数の先行指標になっている。
- マイナスになると景気が悪化していることを示す。一時的かも知れないが3月の景気は悪化した模様。
低迷したニューヨーク製造業指数
この記事では、あまり注目度は高くないのですが今月大きく低迷したニューヨーク連銀が調査している製造業の景気指数について書いていきます。
3月に製造業に景気をアンケート調査した結果が発表されたのですが、だいぶ悪かったです。
- 予想:6.4
- 結果:マイナス11.8(前回プラス3.1)
今月の結果はマイナス11.8でしたが、この数字はマイナスだと景気悪化を意味します。
わずか3ヶ月前の12月にはプラス32もあったのに、最近は急速に悪化している印象があります。
マイナスでも過度の心配はまだ早い
ニューヨーク連銀の景気指数がマイナスになったからと言って、すぐに「アメリカは景気後退になった」というわけではありません。
過去のニューヨーク連銀の景気指数を見てみると、マイナスになっていても景気後退を回避できていることは数多くあります。
もちろん景気指数が悪かったことは良くないことですが、まだ一時的なものかも知れないので過度に心配しすぎず経過を見ていきたいと思います。
ISM製造業指数も恐らく低下傾向
アメリカの景気の強さを知るためのデータとしては、ニューヨーク連銀の景気指数よりも、もっと多くの投資家に注目されているISM製造業指数のほうが重要です。
ただ、以下のグラフで見るとわかるようにニューヨーク連銀とISMのデータは、同じような傾向をたどる傾向があります。
来月上旬に発表されるISM製造業指数は、ニューヨーク連銀製造業ほどではなくても低調になる恐れがある点には注意が必要かも知れません。
予想よりも大きく悪化しているデータが目立つアメリカ
この記事では、3月のニューヨーク連銀の製造業指数が悪かったことを書いてきました。
最近はアメリカの景気後退を心配する声が増えてきましたが、ニューヨーク連銀の製造業指数も急速に景気が弱まっていることを示しているデータの仲間に加わったようです。
アメリカのGDP成長率に大きく影響する個人消費などは2021年末から弱まっていることを見ても、私はまもなく開始されるアメリカの政策金利引き下げがそんなに何度も年内に繰り返されるようには思いません。
インフレを抑えるために政策金利を引き上げて行かなければならないことはわかっているつもりですが、インフレを十分に抑え終わる前に景気が金利の引き上げに耐えられなくなって、早々金利引き上げが止まる気がしています。
そうなった場合には、米国株には短期的にはプラスです。株価を押し下げる金利引き上げが予定よりも少なそうだという見方が広がれば、株価は上昇する可能性があります。
3月から4年ぶりの政策金利が始まろうとしている中でまだ気が早い話かもしれませんが、2022年のどこかで政策金利引き上げ見通しが弱まれば、景気後退前の一時的で最後の株価上昇とインフレの長期化が始まるのだろうと思います。
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Source: YUTAの米国株投資
「景気悪化」を示したNY連銀の製造業景気指数