【オンリーイエスタデー】
1931年に刊行された「オンリーイエスタデー」という古い本があります。
この本は1929年までのウォール街の熱狂と、その後の大暴落を
当時の人達の視点で知る事のできる貴重な一冊です。
この中には例えば、こんな目撃談があります。
【悠悠自適な生活を手に入れた投資家達】
夕食のテーブル越しに、降って湧いた大財産のすごい物語が聞こえてきた。
若い投資家が、手持ちの少額資本を一銭残らずナイリス=べメント=ポンドに投資して、いまや生涯にわたり悠悠自適だ。
ある未亡人は、ケンコット株で大儲けしたので田舎の大邸宅を買えた。
何千人もが投機をした。
そして勝った。
のに、自分が儲けをあてにした企業について彼らは何一つ知らない。
たとえばシーボート・エアライン社を、みんな航空会社の株だと思って買っていたのだ。
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【デジャブかな】
上記のような活き活きとした光景は、
なぜか、刊行から90年も経ているにも関わらず、
2021年の、現代の投資家である私達も、
なぜか、どこかで見たことのあるような、懐かしい気にさせてくれます。
【ロバート・シラー氏の見解】
ノーベル経済学賞を受賞。「根拠なき熱狂」でも有名なシラー教授はこう感想を述べています。
こうした物語は(略)、あまりにしつこく繰り返されたので、無視するわけにはいかなくなった。
お金持ちになるのがそんなに簡単なわけはないし、1920年代の賢い人のほとんどはそれをわかっていたはずだ。
でも、それに逆らう物語は、手早い儲け話がいかに愚かかを指摘するもので、
どうやらあまり伝染力が強くなかったらしい。
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1931年のはじめごろ、かすかながら好転の兆しが見えた。暴落していた株式市場は活気を呈した。
しかし3月になると、そのぼんやりとした黎明の兆しは間違いだったことがわかった。
そして春のあいだ、また下落が始まった。
生産はふたたび減少した。物価は下がった。
株価は低迷して、1929年11月の恐慌のときの水準すら、この時期に比べると、とても高くそびえ立っているように見えた。
配当が減らされたり停止したりして、倒産がふえてくるにつれて、人びとの意気沮喪ぶりが深刻になった。
いったい、どこまで落ちこむのだろう。底はないのか
そのたびに株バブルに警笛を鳴らしていた少数派の人々は劣勢に立たされました。
そして、株価下落局面では魔法の言葉がありました。
「最悪の事態は過ぎた」「組織的な買い支え」
最悪の事態が最悪ではなく、さらに悪化を続けたことにあります。
底値で拾ったと思った投資家も、その後、株価は何分の一かになりました。
http://blog.livedoor.jp/jungledog/archives/576087.htmlより
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【まとめ】
ちなみに、慎重な運用をしていたのにも関わらず、
大恐慌の影響を受け大きなダメージをくらった投資家の中にはウォーレン・バフェット氏の師匠、ベンジャミン・グレアム氏がいます。
本当の暴落は賢明で慎重な投資家の資産ですら危機に晒します。
もちろん、過去と全く同じ暴落はありませんし、
「今が当時と似ている」とか、「投資家の雰囲気が〇〇だから暴落が・・・」と言って通ぶるつもりもありませんが、
でも逆に、これから何十年と資産形成をしていく過程において、何らかの暴落や景気後退局面に遭遇しないというもの不自然に感じます。
少なくとも過去、あの米国株式市場であってもこのくらいの出来事があったわけですから、
市場や株価の調子がいいからといって油断することなく、
自身の許容できる範囲を守り、投資を続けていくことが大切だと思います。
S&P500が最高値を更新し続ける今だからこそ、リスク許容度を超えていないか、
(暴落の後ではなく)平時のうちに資産配分を確認しておきましょう。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
【過去記事再掲】S&P500が最高値を更新し続ける今だからこそ、1929年の大暴落を振り返ろう。