【ズファクターとバリューファクター】
先日のFOMCにて、テーパリングの開始が決定されました。
おそらくFRBはテーパリングが完了した後、
金利正常化(利上げ)へ向け動く事と思われます。
そこで今回は一つの論文を紹介したいと思います。
「Jensen.Johonson,and Mercer 1997」
一言で、結論をいうと、
一般的によく言われている『小型株効果』と『バリュー効果』は、
FRBの金融政策の環境に大きく依存する。と言った内容です。
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【ポイント】
過去、小型企業や低PERの企業の株式の平均リターンは、
大型株や高PERの企業のリターンを上回ってきました。
【株式投資 第4版より引用】
また、金融政策の動向が証券のリターンを大きく説明することも示されています。
先程の論文の著者らが、
FRBの政策スタンスが株式リターンに与える影響を検討したところ、
このサイズ(小型株)やバリュー株への影響は金融環境に大きく依存することが分かりました。
より具体的には、小型株プレミアムとバリュープレミアムは、
金融政策が拡張的な時期にのみ経済的・統計的に有意であり、
制限的な時期には小さく、場合によっては負の値を示しました。
この証拠は、投資家がサイズやバリューに依存した戦略を用いる際には、
FRBの政策スタンスを考慮すべきであることを示唆している。
と言った感じの事が述べられています。
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【さらに進んだ研究】
ただ、この研究には(初期の)経済状況を考慮していない。
好景気と不景気時では異なるのでは?
といった指摘などがあります。
調査の対象とした期間やファクターはやや異なりますが、
下の図は、
例えば左上の「バリューファクター」の右二本の縦棒を見ると、
意外と「バリュー」は金利の上下によってリターンが変わっていない(=その他の要因がリターンに影響している?)
どちらかといえば、他のファクタ―の方が影響されている?
ということが考えられます。
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【まとめ・感想】
こういう先行研究はいくつもありますが、
過去、とても頭のいい人達が懸命に努力して残した、
調査・研究があることを、特にアクティブ投資をする方であれば知っておいて損はないと思います。
自分で一から新しいアイディアを捻り出し、正しいか証明するよりは、
過去の偉大な人達のアイディアを読む方が早いと思いますし、
そういう知識が土台にあれば、自分自身の思考やアイディアがより正しく、深い物になっていく可能性が高くなると思います。
一方で、マクロ経済ファクターが資産リターンに与える研究は
私が知るだけで、他にも100種類以上あります。
例えば、「イールドカーブ」「消費」「インフレ」「GDP成長」「原油価格」など・・・
これらはそれぞれが独立しているわけではなく、
全てが複合的に絡み合い、株式市場に影響を与えます。
マクロの期待値のどれがノイズで、シグナルなのか見分けるのは容易ではありません。
私はこれらを分析し、将来のマクロがどうなるのかを予想し、
更にどれがどの程度、株式市場に影響を与えるのか、
結局のところ将来の株式市場のリターンはどうなるのか予想するスキルも自信も全くないため、
市場が時々間違えつつも、長期的には概ね合理的な価格付けをし続けてくれるだろうという期待から、
また、どのような市場環境になっても、分散効果によりある程度適切に対応できるだろうとの期待から、
今後も市場全体に時価総額で投資をするようなインデックスファンドを用いて、パッシブ運用を続けていきたいと思います。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
『小型株効果』と『バリュー効果』は、FRBの金融政策の環境に大きく依存する。