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【70:20:10】
今回は米国個別株への投資について、2013年のFinancial Analysts Journalに掲載されたロジャー・エデルマン等の研究を元に書いていきたいと思います。
結論から言うと
①今後12カ月の米国株のリターンは、70%が米国市場の動向によって決まり、20%が業種(セクター)の動向によって決まり、10%はどれだけ過小評価されているか(バリュエーション)によって決まる。
②今後10年間の米国株のリターンは、70%がその会社のバリュエーションと成長によって決まり、20%が業種(セクター)によって、10%が米国株式市場の動向によってきます。
この2点です。
今回の記事はこれで終えてもいいと思いますし、
賢い方や経験者の方であれば、この数行の結論から多くのことを察することができると思いますが、
最近投資を始めたばかりの方のため、もう少し補足したいと思います。
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【補足】
①米国株式市場の1年後のリターンは予測不可能です。
1926年~2015年 プラスだった年54% マイナスだった年46%
②短期的な株価の動きはランダムです(厳密にはボラティリティーが継続するなど完全にはランダムではありませんが)
③長期投資の最高のアイディアの多くが実現するまでに3年以上かかることがある。
例)アムジェン
2007年「https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_6417.html」
実際にアムジェンが上昇を開始したのが2011年。
きっかけは、2011年に1997年以降なかった配当を出すことを発表(自社株買いも発表)したからですが、それまでの数年間、市場でアムジェンは放置されていました。
2016年には倍の1株166ドルとなり、一部では割高感も指摘されていましたが、そこからさらに2倍になりました。
④心理的な逆転には1~3年かかる。深刻な否定は10年以上かかる場合もある。
例 日本株、新興国、リーマン後の米銀行株。本当はそこそこ良くなっているのに悪いイメージが固定され実態よりも過小評価される。
⑤1年の時間枠で運用すると、ポートフォリオの回転率が高くなる。
平均的な米国の大型株ファンドは、ポートフォリオを年間62%回転させ、年間約0.81%の取引コストが発生しています。
これが長期的には多くのアクティブファンドが、インデックスファンドの成績を下回る大きな要因の一つとなっています。税金等も長期投資の方が有利です。
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【まとめ】
①1年後の個別株のリターンの大部分は米国株式市場の動向できまるが、米国株式市場の1年後の動向は予測は難しい。
セクターはローテーションがある。それを追いかけるにはPFを動かすコストがかかる。これが市場を丸抱えするインデックスファンドを長期的にはアンダーパフォーマンスする要因になる可能性がある。
個別企業の1年後のリターンはアナリストは80~90%以上の銘柄であまり誤差なくほとんど正確に予測できている。アナリストのギャップをつくのは難しい。
②10年という単位になると、個別株の投資リターンは、市場全体の出来ではなく、その個別企業の業績が大きな要因となる(ただ、アナリストでも1年以上先の業績予想の精度はガクッと落ちる。3年以上となるとほとんどあたらない 別の論文参照)。
また、本来良い発明をしたり、業績を残していても、数年以上株価に反映されないこともある。
10年でセクターローテーションは何度も起こる。10年後どのセクターが勝ち組かはわからない。
①②いずれにしてもインデックスファンドを上回るにはコストを抑えることが大事。
ここら辺が「70:20:10」のポイントとなります。
米国個別株投資をするなら、これを踏まえたうえで投資戦略や銘柄選択をすることが大切です。
それが嫌なので(笑)株式市場にはインデックスでエクスポージャーをとっているわけですが、
この記事が、米国個別株投資をしたいとか、興味のある方の参考になれば幸いです。
一番参考にして欲しいポイントは「個別株投資をする時はちゃんと勉強してから」という点です。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
米国個別株投資の基本中の基本。70:20:10の法則を知ろう。