昨日の米国株市場はやや大きめに下げて終わりました。
ダウ平均よりもナスダックのほうが下げるよくある展開かなと思っていると見えてきませんが、実は昨日は銀行株が軒並み大きく下げていました。
ニュースで取り上げられていたので知っている人もいると思いますが、シリコンバレーバンクという銀行株が火種で株価を大きく下げています。
そして、この銀行株が下げた要因は金利上昇が関わっています。金融引き締めの悪い影響が企業に出始めた初期のニュースになるかも知れません。
この記事のポイント
- 銀行株が下げた背景には、シリコンバレーバンクの株価下落がある。
- シリコンバレーバンクの株価下落の背景には、預金者であるスタートアップ企業の資金繰りの悪化がある。
- FRBの金融引き締めが、中小企業を中心に景気を冷やしている証拠が少しずつ見つかりつつある。
この記事はいろいろなことを書いていますが、結論は「金融引き締めは予想ほど長続く続かないかも知れない。もしそうなら米国債はやはり買いだ。」です。
理由は、2022年からの金融引き締めが中小企業の資金繰りや雇用を悪化させ始めたからで、今回のシリコンバレーバンクの件はその証拠になるかも知れないという話です。
シリコンバレーバンクの株価下落
冒頭でも書いたように、昨日は銀行株に大きな下落が見られました。
銀行株の中でも、ひときわ大きな下落が見られたのはシリコンバレーバンクです。
1日だけで60%株価が下がり、取引が終わって時間外でも20%下げています。
このシリコンバレーバンクの株が下落した背景を調べて見ると、だいたい次のような感じでした。
(※正直にいうと、私はこの企業について詳しくありません。ここに書いた情報は参考程度に流して、正確な情報がほしい場合は各自であたってください。)
- 利上げ前はスタートアップ企業から預金を集めていた。また、その資金で株や国債に投資をしていた。
- 利上げ後は、株や国債の価格が下落。また、利上げでスタートアップ企業は資金繰りが悪化してシリコンバレーバンクの預金額も減った。
- 現金を確保するために、シリコンバレーバンクは含み損が出ている資産を売却することになった。3月8日に保有する資産の多くを売却し、新株発行による資金調達を発表。
- 発表翌日の9日に株価が大きく下落。(※新株発行は株価の下落圧力)
この一連の流れで鍵を握るのは「利上げ」だと思います。
2022年から始まった金融引き締めの影響が、1年たってようやく企業に現れてきたように見えます。
金融引き締めの悪影響がいよいよ到来か
金融引き締めの悪影響が中小企業を就寝に現れ始めた証拠なら、最近はよく見つかります。
先日、ADP社から2月の民間雇用者数が発表されましたが、小規模の企業は既に雇用を減らし始めています。
金融引き締めの悪影響が経済に傷をつけはじめたとなると、投資家はより安全な場所に投資資金を逃がす必要があります。
そう考えると、今後の投資先としてはやはり現金か米国債が良いと思います。
「金融引き締めで景気が悪くなるなら、利下げは思っていたよりも早くやってくる」「そう言っても、景気が悪くなる時に株を保有するのはリスクが高い」と考える投資家が国債に投資をするからです。
昨日のシリコンバレーバンクの件で、「利下げは思っていたよりも早くやってくる」と考えた投資家は少なくなかったようです。
市場の政策金利予想を見ると、利下げ開始のタイミングが一気に数ヶ月早まっています。
2月も恐らく景気は強かったですし、恐らくインフレ圧力もまだ強いので、米国債が短期的に売られる恐れはまだ十分にあります。
しかし、景気悪化の影も忍び寄っている兆候がいくつも見られ始めたので、1年後くらいには不景気に強い米国債は大きなリターンを上げているはずです。
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Source: YUTAの米国株投資
銀行株の下落と背景にある金融引き締めの悪影響について