(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
【信頼とは】
信頼を一つ一つ積み上げていくのは大変で時間がかかるが、
ほんのわずかなことで簡単に失われるし、崩れる時は一瞬だ。
まるで、つみきのように。
【60/40ポートフォリオの話】
今年に入り、米国株と米国債券に60:40で投資をする伝統的な戦略「60/40」を批判する記事がネット上にはあふれていた。
最近でも『「資金の逃避先なし」 6対4投資戦略が崩壊』という見出しの記事があったが、
よりひどい記事では「60/40ポートフォリオ戦略は死んだ」とか、
「もうダメだから資金を守るために○○に投資をした方が良い」という他の投資対象への投資を促すものもたくさんあった。
老後資金を60/40ポートフォリオで運用したが多くを失ってしまった。と感情に訴える記事もあった。
ただ、実際、ドルベースでみると60/40ポートフォリオは歴史的に悪い成績を収めてはいるものの、言って₋17%程度だ。
リスク資産に投資をしていれば、20~30%ほど下落することはざらにある。特に騒ぐことではない。
特に今は、金利上昇局面という株式も債券も苦手とする局面だ。
元々は「長期的には」リスクとリターンのバランスが概ね効率がよいだろう。という戦略なのだから長期的な視点で判断するべきだし、
『高インフレ+金利上昇局面+景気後退の懸念』という今のような(最も苦手とする)局面と、それ以外の概ね普通の状態の市場、長期的にみてどちらの期間が長いのかと言われればおそらく後者だ。
株式と債券の相関が高まる時期はあるものの、そうでない時期の方が長かったし、今後もおそらくそうであると思われる。
いずれにしても、長期的な戦略に対して、特に苦手とする局面下での短期的な結果を受けて、騒ぎすぎというように報道などを見て私は思っている。
過去記事でも書いたが、
60/40戦略に限らず、バリューも、小型株も、モメンタムも、グロース株も、高配当も、低ボラも、一般的によく有効だと言われる戦略の多くが60ヶ月以上(5年)市場平均を下回ったことがあるのは有名な話だ。
どんな戦略であれ、上手くいかない時期、苦手な時期があって当然なのだ。
それは米国株や新興国株と言った資産クラスにおいても同様だ。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
【大手金融機関の反応】
さて、私の個人的な見解はおいておいて、
60/40ポートフォリオが批判に晒される中、
その戦略の有効性を説き続けてきた金融機関がいくつかある。
〇バンガード『60/40ポートフォリオを見限るのはまだ早い、歴史が示す』
当記事の一つ前の記事でCEOの見解も紹介したが、バンガードは航路を守るよう促している。
ただ、今はこのバランスの取れたアプローチを捨てて「新しい道を切り開くにはまさに悪い時期」だ。
1945年にさかのぼって半年間の60/40アプローチのリターンが10%以上のマイナスとなった半期を特定。こうした期間は2022年の前半を除いて15回あった。
60/40ポートフォリオはそうした期間に続く半年間で平均10%上昇。
マイナスリターンになったのは1回だけだった。 「12カ月の期間では60/40ポートフォリオは毎回上昇し、平均リターンはプラス18.4%だった」という。
〇JPモルガン『絶滅寸前の「60/40」戦略、一気に復活する可能性』
JPモルガンもバンガード同様、株式のバリュエーションの改善や債券利回りの上昇など、投資の好機としみているようだ。
「株式60%/債券40%」の投資戦略は約15年ぶりの低調なパフォーマンスだが、今後は一気に復活し、投資家に確かなリターンをもたらすという。
JPモルガンAMは投資の定石とされる「60/40」戦略について、来年以降10-15年間に年率平均7.2%のプラスのリターンをもたらすと予想する。2022年以降の長期リターンはプラス4.3%だという。
〇モルガン・スタンレー『60/40戦略は「休息中」、この先復活へ』
株式60%、債券40%という古典的な60/40ポートフォリオは単に休息中であって、死に絶えたわけではないと、
モルガン・スタンレーのチーフ・クロスアセット・ストラテジスト、アンドルー・シーツ氏が述べた。
一方で、ゴールドマンサックス等は60/40に懐疑的な見方をしている。ブラックロックも「終わりを向ける可能性がある」と煽っていた。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
【まとめ】
2022年に入り、60/40ポートフォリオの成績の低迷を受け、長期的な戦略であるにもかかわらず、60/40はダメだという報道や意見がたくさんあった。
短期的にみればそうかもしれないが、それであれば下がった「後」ではなく、下がる前、つまり金利が上がる前に言った方がよかったのではないかとも思う。
また、長期的な視点で見た場合も下がった『後』で、ずいぶん値上がりした『後』の金や原油やコモディティ』に乗り換えを促すのもまたどうなのかなと思う。
個人的には投資をしていないものの、もし、そういう対象に投資をして分散を計り、資金を守りたいのであれば、『事前に』値上がりするもっと前から投資しておくのが良いと思う。
最近では外貨預金がブームらしいが、これも同様だ。
そして、60/40ポートフォリオの下落にかこつけて、メタバースの土地や投機性の高い暗号資産への投資を促した方もいる。
投機であればまだわかるし、悪いとは言わないが、資産を守りたい、減らしたくないという人にそこへの分散を促して本当にいいのだろうか。
資産を守るという意味では預金や日本国債変動10年の方がいいのではないだろうか。
繰り返しになるが、積み上げてきた信頼を崩すのは一瞬だ。
私は短期的な成績ばかりを見て、近視眼的になり、合理性や長期的な戦略を放棄することなく、
また、多くの誘惑や流行、あるいは不安や恐怖をような記事に流されることなく、煽られることなく、
一つ、一つ信頼を積み上げながら投資を続けていきたいと思います。
いつもありがとうございます。
もしよかったら、応援クリックよろしくお願いします。
米国株ランキング
上の応援ボタン2つをクリック頂けると、
ものすごくありがたいです。毎日記事を書く励みになります。
Amazon「【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術」
Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
バンガード、JPモルガン、モルガンスタンレー『60/40ポートフォリオは復活する』、一方で・・・・