【再考・米国のインフレと景気後退について】1970年代型の深刻なスタグフレーションは起こるのか?

投資まとめ

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【インフレと景気後退】

最近、米国のインフレと景気後退のリスクの高まりに関するニュースを聞かない日はほとんどありません。

実際、世界中の消費者が物価上昇の痛みを感じています。

米国では、消費者物価指数 (CPI) が1980年代初頭以来、最も速い速度で上昇しています。

歴史を振り返ってみると、

このような急激なインフレの後には、不況が訪れ、広範囲に渡って雇用が失われました。

米国では1970年代~1980年代初頭かけて、

2桁のインフレ率、経済活動の低下、高い失業率が混在する、

いわゆる「スタグフレーション」が発生しました。

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【スタグフレーションは起こるのか?】
現在、スタグフレーションの3つの要素のうち 2 つ、

つまり高インフレと経済の低成長またゼロ成長は揃っていますが、

3番目の高失業率が欠けています。

米国の労働市場は堅調で、弱まる兆しはあまり見られません。 

これは、70年代を繰り返す可能性があまり高くないことを示しています。

【米国の現状とポイント】

〇米国経済は、7月に50万人以上、8月にはさらに31.5万人の雇用を生み出しました。
〇失業率も3.7%と低い水準にあります。
〇経済成長の鈍化にもかかわらず、求人は依然として豊富です。(ロイター
〇過去1年間にインフレを引き起こした、供給サイドの問題の一部は改善されています。
〇エネルギー価格は下落傾向にあります(=インフレ率も低下傾向) 

ただ、その他の兆候はまちまちで、

コアインフレ率(エネルギーと食料を除く)の上昇が長く続く可能性もあります。

例えば、多くの企業は、ほとんどの商品やサービスの価格を、新しい環境に即すような形で、再設定することができますが、ここ数か月で価格が加速している住宅などの場合はそうではありません。

毎月の住宅ローンや家賃の支払いは、米国のほとんどの世帯にとって最大の支出ですが(CPIでは約30%のウェイト)、すぐに方向転換する可能性は低いでしょう。

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【1970年代との2つの大きな違い】
高インフレの危険な点は、

インフレが自己実現的な予言となり、頑固な「粘着性」を持つようになる点です。

この点は、昨日パウエル議長も「時間は刻々となくなりつつある」「インフレが目標を大きく上回る期間が長引けばそれだけ、国民が経済的な意思決定にインフレ高進を自然と組み入れ始めるという懸念は大きくなる」と指摘していました。

物価がさらに上昇すると予想される場合、当然ですが、人々は賃金の引き上げを求めるようになります。

そして、雇用主は利幅の差を埋めるため、提供する商品やサービスの価格を引き上げ、

それが賃上げ要求につながり、賃金ー物価スパイラルが発生することになります。

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日経新聞 6月のミシガン大学消費者調査

※翌7月の調査では1年先(5.2%)、5年先(2.8%)ともに更に低下しています

ただ、現在米国では、

今後1年間のインフレ期待は高い水準にありますが、ピークより低下しています。

また、消費者、ビジネスリーダーおよび金融市場の多くは、

そのような高いインフレ率が今後ずっと続くとは予想していません.。

この点は、1970年代とは対照的です.。
【1970年代とのもう1つの違い】

70年代とのもう一つの違いは、

FRBが、最近の積極的な引き締めがまだ十分にインフレを抑制していないと認識している点です。

昨年、FRBは利上げに遅れをとってしまいましたが、

現在では、たとえ不況が発生したとしてもインフレ率を下げるという強い姿勢で行動をしています。

中央銀行がそのような行動をとれば、

(不況に陥るの可能性はありますが)通常はインフレを抑制することは可能でしょう。

【FRBは歴史から学習している】

パウエル議長はジャクソンホール会合にて、以下のように述べていました。

〇物価安定は無条件に追求すべきFRBの責任で、需要を供給に合わせることで達成する。

〇それには十分抑制的水準に政策スタンスを引き上げ、それをしばらく続ける必要がある。

〇それが家計・企業に幾分の痛みとなっても、対応の遅れはより甚大な痛みをもたらす。

〇(70年代の)バーンズ議長の政治的配慮や時期尚早の大幅利下げの代償は、ボルカー議長下のFF金利20%、失業率10.8%、景気後退16カ月をもたらした。

リーマンショックなど過去の危機対応から学んだ、現FRBメンバーは、コロナショック後のダメージを最小限に抑えることに成功しました。

インフレ対応には後れを取ったものの、この点は素直に評価してもよいでしょう。

もちろん、経済は水物なので今後どうなるかわかりませんが、

パウエル議長等FRBのメンバーが1970年代の失敗を認識し、同じ轍を踏まないよう行動している点が、

1970年代との大きな違いといえるでしょう。

ちなみに、バーンズ議長は「FRB史上最も無能な議長」と呼ばれています。

いろいろ批判もされていますが、現FRBメンバーは少なくとも彼よりはずっと優秀だと個人的には思っています。

少なくとも、最悪な時期に最悪の人物がトップではないことを米国投資家は喜ぶべきでしょう。

東洋のどこかの国・・・おっと誰かがきたようだ)



小〇りんり次郎「1970年代との違いは、1970年代と違うことだ」

少し疲れてきたので、

今回はここらへんで閉めたいと思いますが、

個人的にはソフトランディングはほとんど不可能だろうけど、70年代型の不況やスタグフレーションもほとんどないと思っています。

ただ、私の予想などあてになりませんので、特に気にしないでください

私自身のポートフォリオに私の予想や味は一切ありません

明日、明後日にでも続きを書きたいと思いますので、

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
【再考・米国のインフレと景気後退について】1970年代型の深刻なスタグフレーションは起こるのか?

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