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米国株(S&P500)と米国債(AGG・米総合債券)を60:40で組み合わせた伝統的なポートフォリオ、
いわゆる「60/40ポートフォリオ」の今年の年初から7月末時点の間のリターンは、
1976年以降で最悪のリターンとなりました(ドルベース)。
Charlie Bilello@charliebilello
Worst US 60/40 portfolio returns through July… https://t.co/gF5BWYTJGr
年初からこれまでの間に、60/40戦略は「死んだ」「終わった」「逆風」強まるといった報道などもありました。
個人的には、今年、年初からは、ウクライナ情勢、中国、コロナショックから続くサプライチェーンの混乱、インフレなどの多くの不確実性があり、
加えて、このポートフォリオの最も苦手とする株と債券が同時下落する局面だった(金利上昇局面に多い)にもかかわらず、‐10.7%で済んでいるという所にこの戦略の強さを感じてます。
【米国投資家への調査】
直近の悪い成績や都合のいいデータとともに、強く、印象的な言葉(死とか終わった)で断言する記事を見ると、あたかも60/40ポートフォリオをやめた方がいいと感じてしまうものですが、
最新の「マーケッツ・ライブ・パルス」週間調査では、今後10年間にインフレを上回る平均リターンを提供する実行可能な戦略だと回答者1056人中の約3分の2が回答。
実際はまだまだ多くの投資家が60/40戦略を信じていることがわかります。
また、バンガードやモルガンスタンレーは、60/40ポートフォリオの巻き返しを予想したり、航路を維持するよう投資家に薦めています。
【強い主張や一部の意見を全てと思ってはいけない】
この件に限った事ではありませんが、
投資初心者の方は、自分がたまたま見たごく一部の意見や強い主張を、「投資家全ての意見」とか、「確実に起こる、あるいはかなりの確率で起こり得る未来だ」と勘違いしないことが大切です。
少なくとも、そうやって強い主張を繰り返してお金儲けしている人に振り回されてはいけません。
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【60/40ポートフォリオの補足】
60/40ポートフォリオは、リターンこそ米国株式100%に及ばないことが多いものの、債券との分散効果によってリスクが抑えられ、リスク調整後のリターンでは良い成績を収めるケースが多くありました。
下の例は、先進国株式(MSCI ワールド トータル リターン インデック)と 米国10年債の60:40のポートフォリオですが、1988年を起点とした30年間では途中ITバブルやリーマンショックがあったこともあり、株式100を上回るリターンを記録していたりもします。
上記の話は日本人視点に落とし込む必要がありますが、
例えば、日本人なので、「全世界株式と全世界債券(または先進国債券)60/40ポートフォリオ」などは、自身の資産配分を考える上でのたたき台として有効だと思います。
【過去のデータ】
1945年以降、半年間で60/40ポートフォリオのリターンが10%以上のマイナスとなったのは、15回ありました(2022年は除く)。
翌半年もマイナスリターンになったのは1回だけだったとし、
翌12カ月の期間では60/40ポートフォリオは過去全て上昇し、平均リターンはプラス18.4%だったとしています。
これが今回も当てはまるかどうかはわかりませんが、
元々長期投資向けの戦略である60/40が歴史的に(とはいえ10%程度)下がったからと言って、
コストをかけてまで狼狽売りし、いつかくるであろう反発や上昇局面を逃してしまうのは、個人的には少し勿体ないようにも思います。
今回はたまたま60/40ポートフォリオを例に出しましたが、結局何が言いたかったのかと言えば、
刺激的なニュースやレポート、動画やSNSの主張を見て、長期的な視点や合理的だと思われる戦略、計画を、自らの手で投げ出さないように注意しましょう。
私は、ミスターマーケットや周囲のノイズを遠ざけて、航路を守り投資をしていきたいと思います。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
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