予想以上の経済指標がいくつ出てきても、今後のアメリカの景気悪化はかなり堅い。

投資まとめ

昨日の記事で、アメリカの景気はまだ強かったと書きました。

悲観していたアメリカの消費、まだ強かった模様【22年4月米小売】

ただし、2022年に入っても消費はインフレに負けずに実質成長を続けたというだけで、利上げを耐えて景気後退を回避できるほど景気が強いという意味ではありません。

私は相変わらず、アメリカが景気後退になるのは避けられないと思っています。そのように考える理由を2つほど書いていきます。

この記事のポイント

  • 今のインフレを抑えるためには政策金利を大幅に引き上げる必要があるが、これには耐えられない。
  • 2022年のアメリカは1-4月まで実質成長をとげてきたが、既にかなり消費余力がなくなっている。

引き上げなければならない金利の高さ


今後アメリカの景気後退が避けられないと考えている理由の1つ目は、引き上げなければならない金利の高さです。

2022年と同程度までインフレ率が上昇した1970年代のアメリカではインフレ以上に金利を上昇させても、インフレの沈静化に10年かかりました。

現時点でアメリカの消費者物価は前年比8.3%で伸びているのですが、1970年代と同じことをするなら8.3%以上に政策金利を引き上げなければなりません。

前回の2018年の利上げ時には、最高でも2.25-2.50%までしか政策金利を上げられずに終わったことを考えると、8%以上への引き上げは非現実的です。市場の多くの投資家もこのような大幅な引き上げができるとは思っていなく、今回の利上げはせいぜい3%程度までだろうと言われています。

既に景気後退のシグナルが点灯したことを合わせて考えると、3%までしか上げられない理由は「3%で十分にインフレが収まるから」ではなく、「3%まで上げた後には景気か株価が大きく崩れるから」と考えるのが自然です。

>>アメリカで不況の前兆「逆イールド」が発生

少なくなっている消費の余力


アメリカの景気後退が避けられないと考えている2つ目の理由は、アメリカの消費の余力が小さくなってきているからです。

このブログで何度も紹介してきましたが、アメリカでは消費者物価の伸びが著しく、給与の伸びを大きく上回り続けています。

そこで貯蓄を崩して消費をすることになるのですが、貯蓄は既にかなり切り崩したようです。

そうなると次に消費者はクレジットカードやリボ払いを増やすことになるのですが、このローン残高も既に最高額を記録しています。

こういう状況が続いていると、消費は長続きしないと思っています。

昨日の記事の話もあわせて考えると、たしかに2022年1-4月までの消費は予想より悪くなかったようですが、さらなる大きな利上げが必要な上に消費の余力も少ないので、アメリカの景気悪化の確率は極めて高いと思います。

問題は景気後退が起こるかではなく、いつか景気が悪化するかです。時期については、まだ良くわかっていないことが多いのですが、何かしら判断材料になるデータがないか引き続き調べていきたいと思います。

The post 予想以上の経済指標がいくつ出てきても、今後のアメリカの景気悪化はかなり堅い。 first appeared on YUTAの米国株投資ブログ.
Source: YUTAの米国株投資
予想以上の経済指標がいくつ出てきても、今後のアメリカの景気悪化はかなり堅い。

タイトルとURLをコピーしました