銅とゴールドからアメリカの長期金利の動きを見る

投資まとめ

ちょうど1週間前に、アメリカの長期金利(10年国債利回り)はターニングポイントを迎えているという記事を書きました。

>>ターニングポイントを迎えた米長期金利(22年3月24日記事)

長期金利は株やゴールドなどさまざまな価格に影響する大事な数字です。(長期金利が下がれば、株もゴールドも価格が上昇しやすくなります。)

まもなく長期金利が下落するかどうかを注意深く観察しているのですが、なかなか動きがありません。

少々じれったいので(暇なので)、この記事では長期金利と連動すると言われている銅/ゴールドの比率を使って、今後の長期金利の行方を考えてみようと思います。

この記事のポイント

  • 長期期金利は銅/ゴールド比率に連動してきた。
  • 近年の長期金利は金融緩和で低く抑えられていたが、2021年後半から緩和縮小で本来の金利水準に向かって上昇をしてきた。
  • しかし、その上昇はまもなく一段落して落ち着くように見える。

長期金利と銅ゴールドの関係


国債などの債権に投資している人の話によく出てくるのですが、アメリカの長期金利は「銅の価格をゴールドの価格で割った値」に連動する傾向があります。

以下は、2010年以降のアメリカの長期期金利(白線)と銅/ゴールド(青線)をグラフにしたものですが、確かに上昇と下落のタイミングはよく似通っています。

この2つが似ている理由ですが、景気が良くなった時と悪くなった時でそれぞれが同じ方向に動くからです。

例えば、不況から脱して景気が良くなる時期には、不況時に買っていた安全資産の国債が売られて長期金利は上昇します。また、景気が良くなれば安全資産のゴールドは売られて、工業用に使われることが多い銅が買われて銅/ゴールドの値も上昇します。

好景気から不景気に移る場合は、その逆が起こって、やはり長期金利と銅/ゴールドの値は似た動きになります。

銅/ゴールドから長期金利の動きを考える


銅/ゴールドと長期金利の近年の動きを見ていきます。

次のグラフは2017年以降に絞って、長期金利(白線)と銅/ゴールドの値(青線)の関係を図にしたものです。

図に赤字で書きましたが、このグラフからは2つの事に気づきます。

まず1つ目は、2020年から2021年にかけて長期金利が銅/ゴールドほど上昇できずに差が開いてしまっていることです。これは恐らくアメリカの大規模な金融緩和のせいで、中央銀行のFRBが国債を大量に買っていたために、長期金利が本来よりも低く抑えられていたようです。

しかし、上のグラフをよく見てみると、2021年後半にFRBが金融緩和を縮小し始めるた頃から様子が一変していることにも気づきます(気づいたこと2つ目)。今度は長期金利が遅れていた上昇分を取り返すように急上昇を始めて今に至っているようです。

長期金利の上昇余地は少ないと考える理由

ここまで現状を整理した上で、今後がどうなるかを考えます。

金融緩和が縮小に向かって、抑えられていた長期金利が本来の値に戻るように上昇していたという理解が正しいのなら、上のグラフを見る限りそろそろ上昇が落ち着いても良い頃かも知れません。

そして、本来の長期金利の動きは銅/ゴールド(青線)が示しているとすると、銅/ゴールドは2021年から横ばいが続いて頭打ちになっていることから、長期金利も頭打ちになるはずです。少なくとも、長期金利がこれからも右肩上がりに上がっていく姿は現時点のグラフからは想像しにくいです。

これから数ヶ月すると銅/ゴールドのグラフにも変化が現れるのかもしれませんが、現時点ではそろそろ長期金利の上昇が止まる可能性が高い気がしています。

今後どこかで長期金利が下落に転じれば、ゴールドや長期米国債への投資はGoサインが出たことになります。

一方で、長期金利が上抜けてしまうなら、米国株やアメリカの長期国債の投資は少し苦しい立場になってくるかも知れません。

The post 銅とゴールドからアメリカの長期金利の動きを見る first appeared on YUTAの米国株投資ブログ.
Source: YUTAの米国株投資
銅とゴールドからアメリカの長期金利の動きを見る

タイトルとURLをコピーしました