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【金利上昇にどこまで耐えられるのか】
ニッセイ基礎研究所に「米国株式、金利上昇への耐久力は?」という、
面白いレポートがあったので紹介します。
米国株式はどの程度の金利上昇ならば許容できるのか、
具体的な数字とともにわかりやすく解説されています。
今回、個人的には③段落をよく読んでいただきたいのですが、
まずはざっと各段落のポイントをまとめます。
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①2021年米国株式市場ファンドへの資金流入が続いた。特に11.12月。
以下、ざっと各段落のポイントをまとめます。
①はそのままタイトル通り、2021年は米国株ファンドが人気でした。
②これからは「金利上昇」VS「業績拡大」の展開。
しかし、ここからは緩和政策が終わり、「
金利上昇」VS「業績拡大」という展開になります。
「PER(金利上昇で↓)」×「EPS(業績拡大↑)」=「株価(↑ or ↓)」
企業の業績は堅調であることが見込まれており、
中長期的には企業の業績が米国株式を下支え、押し上げることも予想される。
ここまでは、初心者の方でもイメージしやすいかと思います。
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③年末までに長期金利が2%超えると元の水準に戻るのが厳しい?
このレポートのポイントはここです。
3段落目では、米国株式はどの程度の金利上昇ならば許容でき、
再び年初の水準まで戻ることができるのか。
具体的な数字を使い、試算しています。
詳しい解説は是非元のレポートを読んでいただきたいのですが、
長期金利(10年債利回り)の上昇に対して、
S&P500企業のEPSがどの程度成長すれば、
どの程度の株価が正当化かできるかという点をわかりやすく解説しています。
一例としては、米10年国債利回りが2022年に上昇しても2%程度で収まり、かつEPSが240ポイント以上であれば、2021年末のS&P500指数の値を上回ってくる可能性があることが示唆されています。
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金利上昇が緩やかな場合、年末までにEPSが一桁%台後半以上、拡大することが、株価がプラス圏で2022年を終えるための条件の一つになるだろう。このようになる可能性は十分あると思われる。
その一方で、長期金利が2.2%まで上昇してしまうと、EPSが250ポイント、つまりEPSが現時点から10%以上拡大して、価がやっと2021年末の水準まで戻ることになる。
ゆえに、2022年末時点でEPSが250ポイントを超えるのは、今後の動向次第ではあるが、かなりハードルが高いといえる”
④気長に投資を続けよう
3年連続で2桁の上昇。過去30年でも、配当込みドルベースで年率10%以上で成長してきたS&P500ですが、30年中、12年は10%未満のリターンで、うち6年は下落した。
2022年に見込まれる展開が決して珍しいわけではない。
米国株式市場が期待通りに上昇しなくても、そういう年もあると割り切って投資を続けよう。
前のめりになってリスクを取りすぎないよう注意。
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【まとめ・感想】
③は少し難しいかもしれませんが、基本的な内容なので個別株投資をする方や、脱初心者を目指す方は、元のレポートを読んでゆっくり勉強してみるとよいと思います。
アクティブ投資をしている方は、利上げと企業の業績その両方をみることが大切です。
利上げは必ずしも悪い側面だけではありません。インフレを抑えるために金利を上げることは、成長サイクルを短縮するのではなく、延長するためのものでもあります。
一方で、米バンガードは採取的にFRBがFF金利の目標を3%まで引き上げる可能性を指摘し、そうなれば市場が2022年織り込んでいない程度の利上げが必要になるとしています。
FRBの「緩すぎる利上げ(インフレ抑制失敗)」や「市場の予想より急で大きすぎる利上げ」その両方の可能性に注意する必要があります。
もし、インデックスファンド等を用いて、長期投資をするなら、
資産形成期は長く市場が停滞し、安く買う機会が長く続いた方が良いし、バリュエーションが高くない方がいいわけです。
金利上昇によってバリュエーションが改善されたり、将来の期待リターンが高くなるのは、定期的な拠出をしている長期投資家にとって喜ぶべきことでもあります。
逆に、これまでのような実質金利のマイナスと株式バリュエーションの上昇は将来のリターンを犠牲にしていることになります。
「自身の投資の成否が、明日の株価や1年後の株価で決まる」という方でなければ、長期的な視点と計画を維持し、力強く、今まで通りの投資を続けていくことが大切だと思います。
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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
米国株式市場やS&P500は利上げにどこまで耐えられるか?【具体的なラインとは?】