『バランスと国際分散投資を強く勧める』米バンガードのチーフエコノミスト・デイビス氏の見解を紹介します。

投資まとめ
【バンガードの予測】

先日バンガードの最新の予測を紹介しました。

米バンガードの今後10年間の名目リターンの見通し(ドル)は、

米国株式       2.4%~4.3%

米国を除く全世界株式 5.1%~7.1%

とかなり低めの予想となっていました。

【ジョー・デイビス氏の見解】

この予想を受け、米バンガードのグローバル・チーフエコノミストであるジョー・デイビス氏が見解を記事にしていました。

デイビス氏はこの低リターンの時代をどう乗り切ればいいか。投資家にアドバイスを送っています。

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今日の予測によると、投資家は次の10年が過去と同じようになるとは思わず、低リターンの環境を克服するために戦略的な計画を立てる必要があると考えられます。

このことを理解した上で、投資家はより多くの貯蓄を行い、費用を削減し、目標(退職等)を遅らせ、必要に応じてアクティブなリスクを取ることを計画するとよいでしょう。

前回の記事「http://etfsp500.com/archives/28684873.html」で、紹介したように

最も重要かつ、資産形成の基本はこの太字の部分だと思います。

初心者の方や積立投資をしている方に限らず、

大多数の投資家の方にとってはこれが王道で最も良い方法だと思います。

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【動的なPF戦略】

今回はもう少し踏み込んで、デイビス氏の見解を見ていきましょう。

なぜ長期投資家は市場予測を気にしなければならないのか?

その答えは、市場の状況は、時には長期的な影響を伴う形で変化し得るということ。とのことです。

バンガードでは、投資家が自分の投資目標に基づいて戦略を立て、それに沿って行動し、途中で雑音を排除することを長年にわたってアドバイスしてきました。

衝動的で最適ではない判断をしてしまうような、日々の市場の雑音を排除することは、引き続き重要です。

しかし、時折、投資戦略が合理的な期待に基づいているかどうかを見直すことも重要です。

例えば、現在の低金利の環境下で、投資家が債券ポートフォリオから過去の平均値である年間5%のリターンを期待することは妥当ではないでしょう。

(山崎元氏も以前似たような事をおっしゃっていましたね)

【良い予測とは】

他の投資家よりも、頻繁に正しい予測をするというのは、確かに目標となります。

しかし、本当に優れた予測は、そのような銀の弾丸のようなものではなく、

考えられる幅広い結果(可能性)を客観的に考慮し、不確実性を明確に説明し、

事実が明らかになるにつれて、

私達の見解を更新できるようにする厳密なフレームワークを補完するものであると信じています。

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【バンガードの予測とエラー】

参考)60:40ポートフォリオの内訳

米国株式   36% MSCI US Broad Market Index
米国外株式  24% MSCI All Country World ex USA Index
米国債    28% BloombergUS Aggregate Bond Index
米国外債   12% Bloomberg Global Aggregate ex-USDIndex。

下の図は、過去10年間の全世界の株式60%・債券40%のポートフォリオの10年間のリターンが、

バンガードの予測の「幅」の範囲内に概ね収まっていたことを示しています。

00.

これに対してデイビズ氏は以下のように指摘しています。

『気づいたかもしれませんが、分散した60/40ポートフォリオの長期予測は過去10年間一定ではなく

60/40の市場リターンも一定ではありませんでした。

どちらも10年の終わりに上昇しています。

つまり、世界的な金融危機が発生し、市場が底を打ってから10年が経過しています。

当社のフレームワークでは、金融危機の間、経済・金融情勢は悪かったものの、将来のリターンは平均よりも高くなる可能性があると考えました。

その意味で、私たちの予測は、当時の試練に満ちた、感情的な緊張を脇に置き、合理的に期待できるものに焦点を当てた適切なものでした。

当時の見通しは慎重な楽観主義でしたが、この見通しはかなり正確なものでした。

今日、金融情勢はかなり緩んでおり、ある意味では高揚していると言えるかもしれません。

私たちのフレームワークでは、現在の超低金利と米国株式市場のバリュエーションの高さに基づいて、リターンの低下を予測しています

このことは、私たちがどのくらい貯蓄を必要とし、どのくらいの投資収益を期待するかについて、重要な意味を持ちます』

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【分散投資の勧め】

ただ、バンガードの過去10年の「米国株式」と「米国を除く株式」という各資産ごとのリターンの予測を見てみると、

コロナショックや緩和政策の影響もあったのでしょうか?

直近数年は珍しく米国株式のリターンは予想より上振れ、米国外株式のリターンは予想を下回る結果となりました。

ちなみに、2016~18年頃は米国株はやや割高ではあるもののバブルではなく、フェアバリュー圏内と米バンガードはコメントしていました。

00

前回紹介したように、特に米国株式の方は、ITバブル等を除き、かなりの期間で予想の範囲内におさまってきたのですが、

直近数年は、元々の上昇するという予想より更も上振れ、逆に米国外の株式は上がりきれずに、下振れしています。

デイビス氏は「このようなもある」というデータを示し、バランスと分散を強く勧めています

『バンガードの投資家は、目的に応じた株式と債券を組み合わせて保有し、これらの資産をグローバルに幅広く分散させる必要があると考えています』

『VCMMの予測によると、今後10年間で、米国以外の企業の株式は、米国の株式を年間約3%上回ります』としています。

これについては、以前紹介したこちらのレポートを参考にしてみて下さい。

https://advisors.vanguard.com/iwe/pdf/ISGUSIE.pdf

【まとめと感想】

今後どうなるかわかりませんが、

別々の値動きのものを組み合わせる「分散効果」によって将来のリスクを抑えることは期待できます。

長期的に複利を活かして投資をしていく長期投資家にとって、リスクを抑えることは長期的なリターンの低下を防ぐうえで非常に重要です。

また、分散は、先程の60:40のPFの例がそうだったように、自身の予測のズレや無知へのヘッジとしてもとても効果的です。

長くなりましたが、

結論として、自身のリスク許容度や投資期間に合わせ、バランスのとれた適切な資産配分で運用することが大切だと思います。

過去のリターンやチャートばかりを見るのではなく、今の市場をしっかりとみること

そして、コストや分散など、効果がある程度確実なものの存在を、軽視しないことが大切だと思います。

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動的なアクティブ戦略については、次の記事で触れたいと思います。

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Source: S&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ
『バランスと国際分散投資を強く勧める』米バンガードのチーフエコノミスト・デイビス氏の見解を紹介します。

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