9月から再び上昇し始めた長期金利とその対応策

投資まとめ

先月9月22日にアメリカの金融政策を決める会議(FOMC)がありましたが、それ以降にアメリカの国債が売られる動きが見られています。

「国債が売られる」と言うと株には関係ないように聞こえるかもしれませんが、まったく同じ現象を「長期金利が上がる」とか「10年米国債利回りが上昇している」と言い換えると何が起こっているかピンと来る人もいると思います。

一般に長期金利の急上昇時には割高な株が売られたり、株価の上昇が抑えられる動きが見られます。

2021年3月頃にも見られましたが、9月から10月にかけても同じ動きが見られるので、この記事で動きを確認していきたいと思います。

この記事のポイント

  • 9月のFOMC以降にアメリカの長期金利が上昇している。個人的には、この長期金利の上昇はしばらく続くと考えている。
  • 長期金利が続く場合の投資として、(1)株保有の継続、(2)銀行株への投資、(3)投資上級者に限り国債の売りポジションを取るなどがある。

9月から上昇し始めた長期金利

最近のアメリカの10年国債利回り(長期金利)の動きを見ていると、9月のFOMC以降に急上昇していることがわかります。

私の個人の予想なのですが、この長期金利の上昇は2022年の半ば頃まで続く可能性もあると思っています。

今の長期金利の上昇は、政策金利の引上げ(金融緩和の正常化)を少しずつ織り込んでいく形で2020年後半から始まったと思っているのですが、利上げ前から始まるこのような長期金利の上昇はたいてい2-3年は続きます。

たとえば、前回の2016年の利上げ時には、2年間ほど長期金利が上昇する場面がありました。

前回のように長期金利が上がるなら、来年2022年半ばまで上昇が続く可能性は十分あると思っています。

金利引上げ時の投資について

長期金利が上昇するような場面では、どういう投資をしたら良いのでしょうか。

既にこのブログでも何回か触れていますが、一旦バラバラの記事に書いていたことをまとめると、次の3タイプがよく取られる手段だと思います。

  • 【かんたん】長期金利の上昇による一時的な株価下落は気にせず保有。
  • 【ふつう】銀行は長期金利上昇で金利収入が増えるので、銀行株に投資。
  • 【難しい】長期金利が上昇すると価格が上昇する投資をする。

株の継続保有

一番シンプルなのは、長期金利が上がろうがそのまま株への投資を継続することです。

たしかに、長期金利が『急激に』上昇するときには、株の値動きはギクシャクして割高な銘柄ほど売られにくくなります。

しかし、前回の2016年から2018年の様子を振り返るとわかるのですが、緩やかに長期金利が上がっている時期には(そもそも、利上げができるくらいには景気の拡大が続いているため)、株はそれほどダメージを受けずに上昇を続けることが多いです。

金利急上昇時は株下落も、全体的には株価は上昇傾向

なので、長期金利が上昇しているからと言って、特に慌てずに株の保有を辛抱強く続けるのも、一つの作戦だと思います。

この場合、割高な銘柄ほど金利上昇の悪影響を受けやすいので、割高なハイテク株などはいつもより投資を控えめにすると良いかも知れません。

銀行株を保有

金利上昇で恩恵を受ける銘柄はないのかを探すと、銀行株は恩恵を受ける可能性はあります。

銀行は低い金利で集めた資金を、(長期金利をベースにして決められる)より高い金利の住宅ローンや自動車ローンなどの組ませることで、その金利差を得る商売をしています。

なので、長期金利が上昇すれば、銀行にとっては金利収入は大きくなるチャンスはあります。

私も2021年の年始は銀行株にかなり自信を持って投資し、春頃に長期金利が低下したことで売却をしてしましたが、長期金利の再上昇とともに銀行株のチャンスも蘇ってきたようにも見えます。

以下は直近1か月の株価の上昇率を図にしたものですが、銀行株・保険株はなかなか好調のようです。

長期金利が上昇した直近1か月で金融・保険株は好調だった

長期金利が上昇することにかける投資

最後に紹介するのは、かなり上級者向けで私もほとんどやらないのですが、長期金利が上昇することでリターンが得られる商品に投資をすることです。

たとえば、米国株の口座を持っていれば比較的幅広い証券口座で買える銘柄に、アメリカの長期国債が上昇すれば価格が上昇する次のもの(シンボルTMV)があります。

Direxionデイリー20年超米国債ベア3倍ETF(シンボル:TMV)

これならば、予想通りに長期金利が上昇すればリターンを得られます。

問題点は(1)手数料が高い、(2)そもそも金利予想はかなり難しい、(3)上記のようなレバレッジをかけたものの場合は投資のタイミングと損失管理が難しい、という難易度もリスクも高めの投資が求められます。

この記事では、私も「これから長期金利は上昇しやすいはず」と言ってきましたが、既に私は他の投資でかなりリスクをとっているのでTMVなどの投資には至っていません。

もしも今から長期金利上昇の対策をするなら、個別の銀行株や金融業界ETF(VFHなど)が選択肢になる気がしています。

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Source: YUTAの米国株投資
9月から再び上昇し始めた長期金利とその対応策

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